> 今週のトピックス > No.3040 |
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平成26年分確定申告、贈与税の納税額が63%増加
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![]() ● 申告納税額は4年ぶりの減少
国税庁がこのほど発表した平成26年分所得税等の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を0.2%下回る2,139万1千人となり、6年連続の減少となった。申告納税額がある人(納税人員)は同1.6%減の612万人となり、3年ぶりの減少となった。納税人員の減少に伴い、その所得金額も同3.6%下回る37兆1,054億円となり、3年ぶりに減少した。
申告納税額は、前年を6億円(0.0%)下回る2兆7,087億円と、微減ながら4年ぶりの減少となった。これは、株式などの譲渡所得が前年分に比べ55%減と大幅に減ったことが影響しているとみられている。申告納税額は、ピークの平成2年分(6兆6,023億円)の約4割程度に過ぎない。 なお、還付申告者数は、前年分から0.7%増の1,248万7千人と3年ぶりの増加となり、申告者全体の約58%を占めている。 ![]() ● 株式等譲渡所得は前年分の反動で大幅減少
所得税申告者のうち、株式等の譲渡所得の申告者は前年分に比べ14.7%減の93万7千人と2年ぶりに減少し、うち所得金額がある人は同30.3%減の46万1千人、所得金額は同55.0%減の2兆1,759億円と、ともに大幅に減少した。これは、前年の平成25年末で株式譲渡益への軽減税率の適用が廃止されたことから、25年分が“駆込み”で過去最高となった反動とみられている。
これらの株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は前年分比0.7%減の48万1千人、うち所得金額がある人は同2.4%増の30万人1千人、所得金額は同5.8%増の3兆6,171億円と、ともに5年連続で増加した。 ![]() ● 相続税の課税強化の影響で贈与税は大幅増加
一方、贈与税の申告状況をみると、贈与税の申告書を提出した人員は51万9千人で同5.6%増加、そのうち納税人員は36万6千人で同11.1%増加し、その申告納税額は2,803億円で、同63.1%増と大幅に増加した。
これは、平成26年度相続税改正において今年1月から課税ベースが拡大し最高税率も上がったことなどから、改正前に贈与する人が増えたとみられている。 贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は前年分に比べ6.9%増の47万人、うち納税額がある人は同11.2%増の36万3千人、その納税額は同70.8%増の2,584億円。1人当たりの納税額は同53.5%増の71万円となる。 また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ5.0%減の5万人、うち納税額があった人は同3.0%減の3,400人、申告納税額は同6.5%増の218億円。1人当たりの納税額は同9.8%増の652万円だった。 なお、昨年4月から税率が5%から8%に引き上げられた消費税については、個人事業者の消費税の申告件数は前年分から0.5%増と微増の113万9千件ながら、納税申告額は税率引上げの影響で同41.6%増の5,218億円と過去最高となっている。申告件数、確定申告額のいずれも9年ぶりの増加となった。 ![]()
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2015.06.22 |
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