> 今週のトピックス > No.3045 |
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平成27年7月から国外転出時課税制度がスタート
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![]() ● 課税強化される背景
租税条約上、株式等のキャピタルゲインについては株式等を売却した者が居住している国に課税権があるとされている。これを利用し、現行においては、巨額の含み益を有する株式を保有したまま、シンガポールなどのキャピタルゲイン非課税国に出国し、その後に売却することにより、税負担を回避させることが可能となっている。こうした税負担の回避に対応するため、先進諸国においては、出国時に未実現利益のキャピタルゲインに対して特例的に課税する措置等が講じられている。
そこで、平成27年度税制改正により、国境を越えた人の動きに係る租税回避を防止する観点から、出国時における株式等に係る未実現のキャピタルゲインに対する譲渡所得課税の特例が創設され、平成27年7月1日以後に国外転出する場合等に適用されることとなった。 ![]() ● 国外転出時課税が創設
平成27年7月1日以後に国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなる)をする一定の居住者が、1億円以上の有価証券等(対象資産)を所有等している場合には、国外転出時にその対象資産について譲渡又は決済があったものとみなして、対象資産の含み益に所得税が課税される。
国外転出時課税の対象となる場合、所得税の確定申告等の手続きを行う必要が生じる。また、一定の場合は、納税猶予制度や税額を減額するなどの措置を受けることができる。いずれの措置等も国外転出までに納税管理人の届出書を所轄税務署に提出するなどの手続きが必須となるため、注意が必要である。 なお、国外転出時課税の対象者とは、国外転出時において、@及びAのいずれにも該当する居住者である。 ![]()
![]() ● ほかにも国外転出(贈与・相続)時課税あり
本制度は、次の2つケースについても、課税の対象となる。
![]() 贈与の時において1億円以上の対象資産を所有等している一定の居住者が、国外に居住する親族等(非居住者)へ対象資産の全部又は一部を贈与した場合には、その贈与時に、贈与者が贈与対象資産を譲渡等したものとみなして、贈与対象資産の含み益に所得税が課税される。なお、贈与者が「所得税の確定申告」を行うことになる。 ![]() 相続開始の時において1億円以上の対象資産を所有等している一定の居住者(適用被相続人)から、国外に居住する相続人等が、相続又は遺贈により、対象資産の全部又は一部を取得した場合には、その相続開始時に、適用被相続人が相続対象資産を譲渡等したものとみなして、相続対象資産の含み益に所得税が課税される。なお、相続人が被相続人の「所得税の準確定申告」を行うことになる。 ![]() ![]()
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2015.07.02 |
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