> 今週のトピックス > No.3055 |
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相続税に「遺言控除」の導入を検討?
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![]() ● 相続対策の基本は「分割対策」
平成27年から相続税の基礎控除が従前の6割に縮小され、相続税の課税対象者が大幅に増えると言われているのは、周知の通りである。しかし、相続税がかかるかどうかに関わらず、全ての相続において関係するのが、「遺産分割」である。
遺産分割ができなければ、預貯金は凍結されたまま、不動産は共有状態のまま、いつまでたっても相続手続が完了しない。相続税がかかる場合であれば、未分割状態では、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった優遇措置を受けることもできない。一般に、相続対策というと、税負担軽減策ばかりに気を取られがちだが、実際はそれ以上に、遺産分割を円滑に進められるように準備しておくことが重要である。 そこで有効となるのが、遺言である。親の目の黒いうちに、分割の目星をつけ、遺言書を書いておくことは、分割対策の要といってもいいだろう。しかし、実際に遺言書を書いているケースはそれほど多くはない。最近は、エンディングノートなどといった商品も普及するようになり、遺言の重要性が少しずつ知られるようにはなってきたが、実際に書くとなると、やはりハードルは高い。 ![]() ● 基礎控除に「遺言控除」の加算を検討
そこで、遺言の普及を後押しすべく、制度面での改正の動きが出てきている。自民党の「家族の絆を守る特命委員会」が、相続税における「遺言控除」の新設を党税制調査会に提案するようである(7月9日付『日本経済新聞』)。遺言に基づいて遺産を相続した場合に、相続税の基礎控除に「遺言控除」として、いくらか上乗せする案が検討されている。まだ検討段階の話であり、実現するかどうかは全くの白紙であるが、もし導入されれば、「遺産分割対策」が税負担軽減に直結することになり、遺言普及の起爆剤になる可能性がある(注)。
夏休みに実家に帰省される方に、「相続について家族で話し合いをされて、ご両親に遺言の作成を勧めてみてはどうでしょう」と提案してみてはいかがだろうか。 (注)ただし、そもそも相続税が課税されない場合にはメリットがないものと思われる。 ![]()
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2015.07.23 |
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