>  今週のトピックス >  No.3063
上場株式と非上場株式を損益通算するなら年内に!
● 公社債等を所有している場合、年内に売却するかどうかの判断を
  平成25年度税制改正において、金融所得課税の一体化の拡充が決定した。これにより、平成28年1月1日から、これまで非課税だった公社債等の譲渡益が課税対象となり、雑所得として総合課税されている償還差益も含めて、所得税15%、住民税5%(復興特別所得税除く)の申告分離課税に統一される。
  また、一定の特定公社債等については、上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の対象となり、譲渡損、償還損ともに上場株式等に係る譲渡損失の損益通算や繰越控除の対象となる。公社債等の利子なども損益通算の対象となり、特定口座への受け入れも可能となる。
  そのため、現在、含み益を抱える公社債等を所有している場合、年内に譲渡して非課税とするのか、来年に譲渡又は償還で損益通算の対象とするのかなどのシミュレーションが必要となる。
● 自社株の譲渡損益、上場株式等と損益通算するなら年内に
  この一連の改正の中で、もう1つ気を付けておくべきことがある。
  今回の金融所得課税の一体化の拡充は、株式等に対する譲渡所得等の課税の特例の中に、公社債等を組み入れることが柱の1つなのだが、実は、もう1つの柱がある。それが、これまでの株式等に係る譲渡所得等の課税の特例を、上場株式等と一般株式等に分離し、それぞれを別の枠組みにすることである。
  つまり、これは平成28年以降、上場株式等と非上場株式等の譲渡損益について損益通算できなくなることを意味する。例えば、事業承継や相続対策などで、自社株をオーナーから持株会社に譲渡し、譲渡益が発生した場合、年内であれば、上場株式の譲渡損失と損益通算することができる(NISA口座の譲渡損失を除く)。しかし、来年になれば、この改正により、その手は使えなくなる。もちろん、上場株式等の譲渡益と非上場株式の譲渡損失、という逆の場合も同様である。もし、該当するようであれば、至急、有利不利のシミュレーションを行い、年内に実行するかどうかの判断が必要となるだろう。
会社を守りぬく
ガマン経営22の心得
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
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2015.08.06
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