>  今週のトピックス >  No.3110
住まいの安全の目安。住宅性能評価とは!?
  保険はマイホームに次ぐ高額な買い物などと言われています。それゆえ、マイホームを購入する際には、保険の見直しを希望する人も多いようです。
  そのような場合に、保険やお金のことだけでなく、物件そのもののアドバイスもできたら良いとは思いませんか?
  横浜のマンション傾斜のニュースは記憶に新しいですが、物件の評価基準について知っておくことは、大切なことなのかもしれません。
  今回は物件の評価基準のひとつとして、「住宅性能評価」について見ていきましょう。
● 見た目ではなく、基本から見極める
  マイホームを選ぶ基準は人それぞれですが、多くの人が、立地、利便性、デザイン性等を踏まえて物件選びをしています。それは決して間違いではありませんが、一番大切なことは、その物件は、どれくらい安全なのか? を知ることではないでしょうか。
  注文住宅であれば、自分の希望を取り入れることは可能ですが、一戸建ての建売りやマンション等の場合には、売主主導で物件概要が決まってしまうため、その物件がどのように建てられているのか、安全性はどうなっているのかを個人レベルで見極めることは困難です。
  そこで知っておきたいのが、「一般社団法人住宅性能評価・表示協会」の住宅性能評価を基準に物件を選ぶ方法です。
  住宅性能評価は、10の分野※に基づき、それぞれを評価していくというものです。
  評価には、設計評価は図面でのチェック、建設評価は建設工事・完成段階のチェックの2つのチェックがあります。
  具体的には、構造の安定という項目では、地震が起こったときの強度について1〜3段階の等級で表示。最も安全なのが3等級です。1等級は、数百年に一度起こるかの地震に対しての耐力を示しており、3等級では1等級の1.5倍の力に耐えられることと位置付けられています。3等級の耐力の高さを伺うことができますね。
● 信頼を高めるために導入する業者が増えてきている
  日本は地震大国であり、地震や台風などの天災を心配する購入者は少なくありません。
  自分たちの売る物件がいかに安全であるかを指し示すためにも、評価を取得する業者も増えてきています。
  それらは、一戸建てに留まらず、マンション施工会社のなかにも、広がりを見せています。気になる物件があるときには、外観や内装ばかりではなく、評価はどうなっているのかを確認すると良いでしょう。
  評価を受けている物件の場合には、地震保険に加入する際、メリットが受けられます。
  ご存知の通り、地震保険はリスクをベースに保険料が決定します。住宅性能表示を受けている物件の場合には、地震保険料の10%から50%が割引適用されることになっています。
  地震保険は、入っておきたい保険のひとつ。このメリットは購入者にとって大きなメリットになりますね。
  住宅性能評価は、物件選びの際のひとつの目安。
  「安全性から選ぶという方法もある」ということも、お客様にとっては、有効なアドバイスになると思います。
※10の分野
@構造の安定、A火災時の安全、B劣化の軽減、C維持管理更新への配慮、D温熱環境、
E空気環境、F光・視環境、G音環境、H高齢者等への配慮、I防犯
(参考)住まいの安全の目安
2014年7月
保険開始〜
2014年6月
〜保険開始
免震建築物割引 ▲50% ▲30%
耐震等級割引 耐震等級3 ▲50% ▲30%
耐震等級2 ▲30% ▲20%
耐震等級1 ▲10% ▲10%
参考  : 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」
  
飯田 道子(いいだ・みちこ)
海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
  金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
  海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。
  
2015.11.09
前のページにもどる
ページトップへ