>  今週のトピックス >  No.3125
国外財産調書、該当者は年内にシミュレーションを
● 12/31時点で5,000万円超の国外財産は、提出が必要
  平成24年度税制改正において、国外財産調書制度が創設された。国税庁の発表によると、平成26年分(平成26年12月31日分)の国外財産調書の提出状況は、総提出件数が8,184件(平成27年6月末時点)となっている。該当する方にとっては、年末の“決算対策”の1つとして、国外財産の金額シミュレーションが必要となる。
  その年の12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年3月15日までに国外財産調書を提出しなければならない。国外財産調書にはインセンティブとペナルティが設けられている。
@加算税の軽減措置
  調書を期限内に提出した場合に、記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を軽減(△5%)
A加算税の加重措置
  調書の提出がない場合又は提出された調書に国外財産の記載がない場合に、その国外財産に関して所得税の申告漏れが生じたときには、加算税を加重(+5%)
B罰則の適用
  正当な理由なく期限内に提出がない場合又は虚偽記載の場合に、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  軽減措置は、所得税と相続税に適用されるが、加重措置は所得税のみ対象となる。また、未提出や虚偽記載には罰則規定がある(平成27年分から開始される財産債務調書には、罰則規定なし)。なお、国外財産調書は質問検査権の対象となるため、必要な場合は、税務調査を行うことができる、とされている(財産債務調書も同様)。
● 年末までに5,000万円を超えるかどうかのシミュレーションを
  国外財産の対象となるのは、主に下記のような財産である。
 ・  国外に所在している不動産
 ・  国外支店に口座のある外貨預金
 ・  外国の生命保険会社(国内に営業所等なし)で契約した生命保険契約に関する権利
 ・  国外に本店のある法人への貸付金
 ・  国外支店の口座で管理されている国内株式
 ・  国外支店の口座で管理されている日本国債 など
  該当しそうな場合には、まず金額のシミュレーションが必要となるだろう。金額が5,000万円を超えるかどうか微妙な場合には、為替レートに左右されることもありうる。また、国外支店の外貨預金や株式を国内支店に移動すれば、国外財産から除外される。
税理士からのアドバイス
税務調査の最前線Q&A
執筆:マネーコンシェルジュ税理士法人
体裁:A5判サイズ、48ページ
価格:300円(税込)
発行:清文社
注目!
マネーコンシェルジュ税理士法人のホームページ(HP)から直接注文した場合、一冊から注文が可能です(送料無料、振込手数料はお客様負担)。詳しくは、マネーコンシェルジュ税理士法人のHPをご覧ください。
http://www.money-c.com/masukomi/tyosasaizensen/tyosasaizensen.htm
  税務調査について、最新の法令知識や最前線の情報に加え、調査前の事前準備等、対策のポイントを図解・イラストを交えてわかりやすく解説しています。法人マーケットでの営業ツールとして、お客さまに喜ばれる1冊。
  
村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
http://www.money-c.com/
http://sogyo5.money-c.com/
  
  
2015.12.10
前のページにもどる
ページトップへ