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12月から始まった「ストレスチェック制度」とは?
  昨年6月の労働安全衛生法改正・交付により、平成27年12月から、新たに職場のメンタルヘルス対策の一環として「ストレスチェック制度」がスタートしている。
● 制度の目的
  この制度は、労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態のときは医師と面接してアドバイスを受けたり、会社側に仕事の軽減などの適切な措置の実施や職場環境の改善を促したりすることなどによって、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的としており、労働者が50人以上の事業所では、毎年1回実施することが義務付けられている。
● 対象者と具体的なチェック方法
  原則としてすべての労働者に対して実施される。具体的な流れは、下記の図のとおりである。労働者が記入したストレスに関する質問票に基づき個々のストレスの状況が医師などによって評価され、本人に結果が通知される。ストレスが高く医師による面接が必要と評価された人は、本人の希望により医師の面接指導を受けられる。状況によって医師から事業主に対し、業務の変更や軽減などの措置についての意見を述べる。一方、事業所単位などで個々の結果を集計・分析することにより、職場環境の改善につなげることも目的の一つとなっている。
  厚生労働省の「平成25年労働安全衛生に関する調査」によれば、メンタルヘルス不調により連続1か月以上の休業または退職した労働者のいる事業所の割合は約1割であるが、長期休業者のうち職場復帰した人のいる事業所の割合は約5割である。事業主側としては、プライバシー保護はもちろん、検査結果を理由に不利益な取扱いを行うことのないよう十分配慮しつつ、労働者がメンタルヘルス不調による休業や退職といった事態に陥らないように、新制度を確実に実行していかなければならない。また、労働者側としても、あるがままの状態をチェックすることで「うつ」などにならぬよう自己努力も必要であろう。
2015.12.17
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