>  今週のトピックス >  No.3133
個人事業主、消費税試算は簡易課税改正に注意
● 消費税の有利判定は必ず年内に実行
  個人事業主は12月で事業年度が終了するため、来年(平成28年)の消費税申告をどうするかの選択を年内にしておかなければならない。
  具体的には、免税事業者なら、何か設備投資などで多額の消費税が発生する可能性がないか、平成26年の課税売上高が5,000万円以下の場合には、原則課税と簡易課税のどちらか有利か、など年内に試算(以下、シミュレーション)した上で、必要であれば、それに対応した届出書を提出しておかなければならない。
  ここまでは例年と同じ作業だが、今回のシミュレーションでは、さらにもう1つ注意して頂きたいことがある。平成26年度税制改正により、簡易課税制度のみなし仕入率の見直しが行われており、原則として、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用されるため、個人事業主については、平成28年分から適用となる。原則課税と簡易課税の有利判定をする場合、この改正を織り込んでシミュレーションする必要がある。
● 金融業及び保険業、不動産業の場合は、みなし仕入率改正に注意
  見直しが行われるのは、金融業及び保険業、不動産業の2つである。現行の第四種事業のうち、金融業及び保険業を第五種事業とし、そのみなし仕入率を50%(現行60%)とするとともに、現行の第五種事業のうち、不動産業を第六種事業とし、そのみなし仕入率を40%(現行50%)とすることとされた。
  そのため、これらの改正業種を営む個人事業主の方については、金融業及び保険業の場合、実際の課税仕入高に係る消費税等が課税売上高の4%(=8%×50%)を超えるかどうか、不動産業については3.2%(=8%×40%)を超えるかどうかにより、原則課税と簡易課税の有利不利を判断することになる。
  なお、平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であってもその届出書に記載した「適用開始課税期間」の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間(簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間)については、改正前のみなし仕入率が適用される。
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2015.12.24
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