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「パート労働ポータルサイト」を有効活用しよう
● パートタイム労働者の活用に役立つ情報が満載
  厚生労働省では、パートタイム労働に関する総合情報サイト「パート労働ポータルサイト」を公開している。改正パートタイム労働法の概要のほか、パートタイム労働者の雇用管理を改善するための各種ツールやマニュアル、短時間正社員制度の導入・運用を支援するための情報、他社の事例など、パートタイム労働者や短時間正社員がいきいきと働ける職場環境づくりに役立ててもらうためのサイトになっており、今後、非正規社員が増加する中で各企業もこのようなサイトの情報を有効に活用し、企業の業績アップにいかしていただきたい。
● 自社の置かれた状況を冷静に診断し、把握することも重要
  サイトの中で特に気になるコンテンツとして、下記の2つは企業の人事担当者がチェックしておきたいところである。
1.パート労働者活躍企業診断サイト
  パートタイム労働者均等・均衡待遇指標(パート指標)を活用し、自社のパートタイム労働者の活躍推進の取組状況や同じ業界内での位置などを把握できる。設問に回答すると、診断結果が、レーダーチャートや義務履行状況表などで表示されるのでわかりやすい。
※  「パート指標」とは、企業や事業所のパートタイム労働者に対する雇用管理や通常の労働者との均等・均衡待遇の現状や課題を分析するツール。
2.パート労働者活躍企業宣言サイト
  パートタイム労働者の活躍推進のために自社で行っている雇用管理改善の取組や、その特徴・工夫、今後の目標などを同サイトで自主的に発信(宣言)することによって、パートタイムで働きたいという人や宣言企業のサービス・製品などを利用する一般ユーザーに対して、パートタイム労働者の活躍に向けて取り組む企業であると自社を広くPRできる。
● 短時間正社員制度の導入も検討したい
  非正規社員が4割を占める現状において、その中でもパートタイム労働者の採用、定着、育成をしくみ化することができれば、業績アップにもつながることになる。優秀なパートタイム労働者を雇用し、定着させるためには企業側の意識改革が重要であり、今までのように単純に賃金の節約のためだけにパートタイム労働者を雇用するという考え方は捨てて、より長期的な視点で改革に取り組まなければならない。
  また、パートタイム労働者であっても期間の定めをなくして、時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同じ職種のフルタイム正社員と同等の短時間正社員を活用し、モチベーションを高めるのも1つのアイデアであり、他社の成功事例なども同サイトに紹介されているのでまずはサイトにアクセスして、できることから着手してみてはいかがだろうか。
参照  : 厚生労働省 パート労働ポータルサイト
  
庄司 英尚 (しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所 所長
社会保険労務士 人事コンサルタント
福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。
公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
  
  
2016.01.04
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