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建物附属設備と構築物は定額法へ一本化
  平成27年12月16日に「平成28年度税制改正大綱」が発表された。今回はその中から、減価償却の改正について取り上げる。
● 建物附属設備と構築物は定額法へ一本化
  「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考えのもと、法人税実効税率が平成28年度に29.97%、平成30年度に29.74%まで引き下げられる。これに伴う財源を確保するにあたって、経済に悪影響の少ないものに絞って見直し対象となったものの一つが「建物附属設備と構築物の減価償却方法の変更」である。
  平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物(鉱業用を除く)について、減価償却方法である定率法を廃止し、定額法に一本化する(所得税についても同様)。つまり、一般的に建物と一体的に整備される建物附属設備や、建物と同様に長期安定的に使用される構築物について、建物と同様の償却方法に変更される。
  ご承知の通り、償却方法は異なっても、結論としては資産の減価償却費合計は変わらない。しかしながら、定率法を適用すれば、資産取得の初期段階で減価償却費を多く計上できるため、当初の税負担軽減効果が大きい。一方の定額法は基本毎期同額計上されるため、取得の初期段階での税負担軽減効果は少ない。
  建物の電気設備・給排水設備などは建物附属設備に該当するが、平成28年3月31日までに取得し、事業供用した場合には定率法が適用できる。
● 30万円未満減価償却資産の即時償却の特例は継続
  中小企業者等が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、各事業年度において、その減価償却資産の合計額300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)することができる。
  この適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されるが、適用対象者から従業員1,000人超の法人が除外されることになる(延長措置については、所得税についても同様)。
  この特例は、46万社もの中小企業が活用しており、特に従業員5人以下の小規模企業に多く利用されている。また、マイナンバー制度の対応が遅れている中小企業が多い中、この特例は、マイナンバーへの対応に必要となる様々な少額資産(パソコン、監視カメラ、パーテーション、金庫、セキュリティソフトなど)の取得に活用できる。
※平成28年度税制改正大綱については、国会を通過するまでは確定事項ではありません。
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今村 京子 (いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2016.01.07
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