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高額資産取得後の、免税簡易移行を制限へ
● 現行の取扱いで対応できない、消費税還付の問題点
  消費税の還付申告については、一部に過剰な還付スキームなどが横行し、税制改正により還付が制限されてきた、という経緯がある。
  現状の取扱いでは、消費税課税事業者選択届出書を提出し、その届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過するまでの間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受ける課税期間は除く)中に国内において調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、消費税課税事業者選択不適用届出書を提出することができず、簡易課税制度を選択することもできない。
  ただし、この取扱いでは、もともと簡易課税対象外の原則課税事業者が調整対象固定資産の購入後に、免税事業者や簡易課税に移行することは可能となる。また、対象資産は調整対象固定資産のみであり、棚卸資産は含まれていない。
● 1,000万円以上の高額資産を購入した場合の規定を新設
  上記2点(簡易課税対象外の原則課税事業者が調整対象固定資産の購入後に、免税事業者や簡易課税に移行すること、対象資産に棚卸資産が含まれていないこと)に対応するため、平成28年度税制改正において、税抜1,000万円以上の高額資産を購入した場合を対象に、購入後3年間の免税禁止、簡易課税禁止の規定が新設される。
  具体的には、以下の取り扱いとなる。
   事業者(免税事業者を除く)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額資産の課税仕入れ又は高額資産の保税地域からの引取り(以下「高額資産の仕入れ等」という)を行った場合には、その高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間からその課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。
(注)  上記の「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜1,000 万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産とする。
   自ら建設等をした資産については、建設等に要した費用の額が税抜 1,000万円以上となった日の属する課税期間からその建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記@の措置を講ずる。
  上記の改正は、平成 28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用し、平成 27 年 12 月 31 日までに締結した契約に基づき、平成 28 年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用されない予定である。
※平成28年度税制改正大綱については、国会を通過するまでは確定事項ではありません。
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2016.01.28
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