> 今週のトピックス > No.3159 |
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日銀、初のマイナス金利政策を実施
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![]() ■ さらなる金融緩和策で日銀の思惑通りになるか?
日本銀行(日銀)は、1月28〜29日に開いた政策委員会・金融政策決定会合において、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決定した。これにより、2月16日から民間銀行が日銀に預けている当座預金の一部の金利がマイナス0.1%となった。
つまりは、日銀当座預金残高のうち、政策金利残高にあたる部分については、民間銀行から日銀に対して0.1%の利子を支払うことになったのだ(政策金利残高以外の基礎残高はプラス0.1%、マクロ加算残高は0%)。日銀に一定額以上預けていると目減りするので、その資金を企業や個人ヘの貸し出しや、運用に回す効果が期待できると言われている。 マイナス金利導入の背景には、今年に入ってから、国際金融不安による大幅な株価の変動が起こっていることが挙げられる。中国経済の失速、原油安、米国利上げによる新興国からの資金引き上げなどによるものである。また、要因の1つとして、甘利経済再生担当大臣の辞任で打撃を受けた「アベノミクス」の立て直しも考えられる。 ![]() ■ 各方面でさまざまな影響が
2月に入り、民間銀行が軒並み預金金利の引き下げを実施している。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、一時はマイナス金利まで低下(2月9日、▲0.025%)したが、2月17日現在では0.045%。仮に10年物国債を100万円購入した場合、1年後にもらえる利子は税引前でたったの450円、10年間保有しても4,500円にしかならない。
マイナス金利政策を受けて、2月16日以降の住宅ローン金利(10年固定型)は、三井住友銀行の場合、年1.05%から0.9%へ引き下げた。各行も引き下げを検討している。 運用商品の見直しも相次いでいる。短期の国債や社債で運用する公社債投資信託MMFは一部の金融機関で購入受付を停止した。短期金利のマイナス幅が拡大し、運用利回りの確保が難しくなったためだ。また、一部の保険会社では、一時払終身保険の販売停止や保険料の値上げを検討している模様だ。 安定した利益が見込める運用商品が少なくなると、利殖性の高い(リスクの大きい)金融商品に資金を移す人が増えることが予想されるが、投資詐欺事件なども起きているので、くれぐれもその金融商品の抱えるリスクを把握して投資していただきたい。 ![]()
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2016.02.22 |
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