>  今週のトピックス >  No.3195
資本金をコントロールするメリットとは?
● 今年は「減資」が増える?
  平成27年度税制改正において、法人住民税均等割の税率区分の基準となる「資本金等の額」が見直され、「欠損填補のための無償減資」を実行することで均等割が下がる可能性が出てきた(今週のトピックスNo.3191参照)。この改正の施行で、今年は減資を検討する法人が増えるかもしれない。
  これは、資本金によって税金が変わる、という一例に過ぎない。実はこれ以外にも、資本金によって影響を受ける税制は多く存在し、「資本金」は中小企業の税金を左右する、大きな要素の1つとなっている。例えば、資本金1,000万円未満で法人を設立すると、最大2年間、消費税が免税となる(特定新規設立法人に該当する場合等を除く)。
● 資本金で変わる、優遇税制の適用
  上記は、「資本金1,000万円」で税金が変わる例だが、「資本金3,000万円」という基準もある。「中小企業等投資促進税制」では、中小企業者等が新品の機械装置等を取得し、一定の事業の用に供した場合に、特別償却又は税額控除が認められる。
  この税制において税額控除が認められるのは、中小企業者のうち、資本金の額若しくは出資金の額が3,000万円を超える法人以外の法人とされている。
  さらに、資本金が1億円を超えると、主に以下のような税制の適用が受けられなくなる(ただし、資本金1億円以下であっても、資本金5億円以上の法人の100%子法人等は適用対象外の場合あり)。
・欠損金等の控除限度額の縮減の不適用
・年800万円以下の所得に対する法人税の軽減税率
・特定同族会社の留保金課税の不適用
・交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
・欠損金の繰戻しによる還付制度
・少額減価償却資産の全額損金算入
・法人事業税における外形標準課税の不適用
  なお、税制以外でも、中小企業が対象となる各種助成金においては、資本金が要件の一部となっている場合が多く、資本金は税制面以外にも影響してくる。
  ただし、資本金で会社規模を判断する現行の税制については、その仕組みを疑問視する声もあり、見直しの機運が高まってきている。近いうちに税制改正が行われる可能性もあるため、その動向には十分注視して頂きたい。
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村田 直(むらた・ただし)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
マネーコンシェルジュ税理士法人
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2016.04.28
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