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後期高齢者医療制度に75歳未満で加入できる場合とは
● 後期高齢者医療制度の対象者
  高齢化に伴う医療費の増大が見込まれる中、高齢者と若年世代の負担の明確化を図る観点から、平成20年から後期高齢者医療制度が開始された。対象者は、今まで加入していた公的医療保険を脱退し、後期高齢者医療制度の被保険者となる。
  後期高齢者医療制度の対象となる方については、以下のように定められている。
75歳以上の人
65歳以上75歳未満で一定の障がいがあり、広域連合の認定を受けた人
ここまでは、保険営業に携わる人には常識といってよいだろう。
  では、実際に65歳以上75歳未満の人が対象となる場合はどんなケースだろうか。また、その際、どのような手続きが必要となるのだろうか。
  「一定の障がい」については、各広域連合のWebサイトなどに記載があり、以下のいずれかに該当した場合のことを言う。
   @ 身体障害者手帳1級・2級・3級を持っている人
   A 身体障害者手帳4級を持ち、次のいずれかに該当する人
   音声機能、言語能力またはそしゃく機能の著しい障がい
   両下肢すべての指を欠くもの
   1下肢を下腿の2分の1以上欠くもの
   1下肢の著しい障がい
   B 療育手帳A1・A2を持っている人
   C 精神障害者保健福祉手帳1級・2級を持っている人
   D 障害基礎年金1級・2級の国民年金証書を持っている人
  これらに該当した人は、広域連合に申請することにより、認定を受けることができる。逆に言えば、後期高齢者医療制度に加入するつもりがない場合は、申請をしなければ現在の公的医療保険に加入したままということになる。一度認定を受けても、障がいの状態が解消した場合には制度を脱退し、他の公的医療保険制度に加入することになる。また、障がいの状態が解消していなくても、本人の申請により、いつでも将来に向かって撤回することができ、この場合も後期高齢者医療制度を脱退することになる。
● 具体的な手続きの流れ
  最後に、窓口での手続きの流れがどのようになるか例を見てみよう。この事例では、70歳で国民健康保険に加入している人が、身体障害者手帳1級を交付され、広域連合に認定の申請をした。
市役所等の国民健康保険の窓口で、現在の保険料を確認する(1)
後期高齢者医療制度の窓口で、後期高齢者医療制度の保険料を試算してもらう(2)
上記の(1)と(2)を比較し、後期高齢者医療制度に加入するかどうかを検討する
加入する場合は、後期高齢者医療制度の窓口で加入(認定)の申請を行う
国民健康保険の窓口に戻り、脱退の手続きをする
  手続きそのものは、難しいものではないが、窓口の往復で時間がかかるうえ、自治体独自の医療費補助制度などが絡むとさらに時間がかかる場合がある。
  通常、保険営業に携わる人やFPがこのような手続きに直接関わることはないが、ライフプランのアドバイスをする際、役立つケースもあると思われるため、参考にしていただきたい。
2016.05.19
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