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熊本地震の地震保険金支払額は、過去2番目の金額に!
● 地震による保険金支払いは巨額に!
  日本損害保険協会の発表によると、「平成28年熊本地震」での地震保険の支払額はおよそ1,810億円となり、「平成23年東北地方太平洋沖地震」の12,654億円に次ぐ、過去2番目の支払額になりました(平成28年5月23日現在)。
  そもそも、これだけの巨額な保険金の支払いができるのは、地震保険を国と民間の損害保険会社が共同で運営しているからです。地震保険の保険金を確実に支払えるよう、国が「再保険」という形で保険金の支払いを引き受けるようになっており、民間の損害保険会社をバックアップする仕組みと言えるでしょう。
  具体的には、1回の地震で支払われる「保険金総支払限度額」が決められていて、その額は現在11兆3,000億円。この金額は、関東大震災クラスの地震が再来しても保険金の支払いに支障がないようにと設定された金額です。そして、この金額の範囲内で損害保険会社と国が責任限度額を分担しています。
● もはや必須ともいえる地震保険
  地震保険加入率の全国平均は年々伸びています。それでも2014年末の全国平均の加入率は28.8%と、生命保険などに比べるといまだに低い水準にとどまっています。
  地震列島といわれるこの国に住んでいる以上、「絶対安全な場所はない」と言っても過言ではないでしょう。まだまだ加入余地のある地震保険は、全家庭に必須の保険といえるのではないでしょうか。
  今後の地震保険については、来年から3段階に分けた地震保険基準料率の改定と、損害区分の見直しなどが予定されています。基準料率については、引き上げになる地域と引き下げになる地域があるため一律ではなく、1回目は全国平均で+5.1%の引き上げになる予定です。また、現在「全損(100%)」「半損(50%)」「一部損(5%)」の3区分となっている損害区分が、「全損(100%)」「大半損(60%)」「小半損(30%)」「一部損(5%)」の4区分に細分化されます。さらに、都道府県を危険度で分類する「等地区分」も変更になる予定です。
  地震保険の話題をきっかけに、人や物など家庭の経済を守るリスクマネジメントの大切さ、重要性を伝える事が大切でしょう。
参考  : 日本損害保険協会「日本の損害保険ファクトブック2015」
  損害保険料率算出機構/2015年9月30日発表ニュースリリース
  
高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/
  
  
2016.05.30
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