最近、住民税の特別徴収
※について、各地方自治体が徹底して実行する方針を掲げるようになってきている。例えば、東京都と都内区市町村は、平成29年度から原則として全ての事業主の方に、特別徴収義務者の指定を実施する(東京都主税局「特別徴収推進チラシ」より)、としており、大阪府と府内市町村では、同様に平成30年度から(大阪府「特別徴収チラシ」より)としている。ただし、実際には、先行して実施している自治体も見受けられる。
そもそも、住民税の特別徴収については、地方税法において事業主による給与天引が義務付けられているが、これまでの現場実務においては、会社が普通徴収を希望して、給与支払報告書を提出した場合、概ねその希望が認められていた。法律自体は改正されていないが、運用の厳格化が図られているのが、昨今の実情である。
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特別徴収は、法人が従業員から給与天引きして納付する方式、普通徴収は個人が直接する納付する方式をいう。 |
ただし、例外なく100%特別徴収が行われるわけではない。地方税法321条の3には、以下のような規定がある。
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支給期間が一月を超える期間により定められている給与のみの支払を受けていることその他これに類する理由があることにより、特別徴収の方法によって徴収することが著しく困難であると認められる者を除く |
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当該市町村内に給与所得者が少ないことその他特別の事情により特別徴収を行うことが適当でないと認められる市町村においては、特別徴収の方法によらないことができる |
また、東京都主税局では、以下のような基準に該当すれば、当面、例外的に普通徴収が認められる、としている。
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総従業員数が2人以下 |
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他の事業所で特別徴収 |
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給与が少なく税額が引けない |
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給与の支払が不定期(例:給与の支払が毎月でない) |
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事業専従者(個人事業主のみ対象) |
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退職者又は退職予定者(5月末日まで) |
上記の基準に該当する場合、特別徴収税額の通知があっても、普通徴収への切替理由書(各自治体により名称は異なる)を提出すれば、当面は普通徴収が認められるものと思われる。ただし、各自治体によって対応に差が出る可能性があるため、注意して頂きたい。