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子どものくらしとお金に関する調査
  2016年6月、子どものお金にまつわる日常生活、お金に関する意識・行動、金融経済に関する基本的な知識などを調査した「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)(2015年度調査)の結果が金融広報中央委員会より公表されました。
● おこづかいの金額と使い方・管理
  小学生の7割強、中学生の8割強、高校生の約8割がおこづかいをもらっていて、小学生の低学年・中学年では「ときどき」、高学年では、「月に1回」もらっているとの回答が最も多くなっています。金額は、最も多い回答(最頻値)は、「月に1回」もらう場合は低学年・中学年・高学年とも500円、「ときどき」もらう場合は、低学年と中学年は100円、高学年は1,000円となっています。中学生になると、1カ月に最頻値1,000円、平均値2,536円、高校生は最頻値5,000円、平均値5,114円となります。
  おこづかいの使い方では、小学生の低学年・中学年では「おかしやジュース」、「ゲームソフトやおもちゃ類」(低学年では「おもちゃなど」)、「ゲームをする」が上位で、高学年になると「まんが」の順位が上がり、「ゲームソフトやおもちゃ類」と同程度となります。中学生・高校生では「友達との外食・軽食代」、「おやつなどの飲食物」が最上位となり、次いで「友達へのプレゼント」、高校生では「休日に遊びにいくときの交通費」が続きます。
  おこづかいが不足した経験が「ある(「よくある」と「ときどきある」の合計)」のは、小学生低学年・中学年で4割強、小学生高学年で約5割、中学生・高校生で5〜6割と学年段階があがるにつれて増え、おこづかいが不足したときの対応は、小学生では、「買いたいものを、がまんする」が5〜6割、中学生・高校生では「次の『おこづかい』までがまんし、節約する」が4割前後と最も多くなっています。
  また、「おこづかい帳」をつけているのは、小学生が2割前後、中学生が約2割、高校生が2割弱で、「使ったその日のうちに必ずつける」、「1週間ごとなど定期的につける」との回答者は、「毎週・毎月など定期的に同じ金額を貯めている」、「金額は毎回同じではないが、定期的に貯めている」との回答割合が高くなっています。
● お金に関する意識、金融経済に関する知識
  お金に関する意識では、「お金をたくさん貯めたい」(小学生低学年で約7割、中学年で約8割、高学年・中学生で9割弱、高校生で約9割)、「お金よりも大事なものがある」(小学生低学年で7割弱、中学年・高学年で8割強、中学生で約8割、高校生で約7割)、「お金はコツコツ働いて貯めるもの」(中学生で約8割、高校生で7割強)と思う割合が高くなっています。
  金融経済の知識や金融用語の理解度をみると、「図書カード」(小学生向け設問)、「レンタルCDの延滞金」、「欠陥商品の交換や返品」(中学生・高校生向け設問)、「保険」、「消費税」など、子どもたちの日常のくらしに比較的身近な知識については、正答率が6割〜8割台で概ね理解されていましたが、「利子の理解」(小学生向け設問)、「物価と金利」、「契約の成立」、「クレジットカード」、「複利」、「インフレ」、「デフレ」、「単利」(中学生・高校生向け設問)などは、正答率が1割〜4割台と低くなっています。
  また、PISA(注)2012の金融リテラシー調査類似の設問における正答率も中国や米国・OECD13カ国平均より低いのが現状です。
  この調査は、学校における金融教育の支援活動の参考とするためのものですが、学校の授業などで金融教育を実際に受けたことのある人は少数でしょう。学校での金融教育については、「行うべき」との意見も多く、その声に応え金融教育を実施していくことが必要となるでしょう。
  (注)OECDが実施している 国際的な学習到達度に関する調査。
参考  : 金融広報中央委員会(知るぽると)「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)
2016.07.07
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