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データに見るがん保険・個人年金保険のニーズの高まり
  保険を販売する皆さんに密接に関係すると思われる2つのデータが発表されましたのでご案内いたします。
● がんと診断された人が過去最多を更新
  1つ目は、国立がん研究センターから、6月29日に日本のがん罹患数・率の最新全国推計値の公表がありました。
  2012年の1年間で、「がん」と診断された人が全国で86万5,000人を数え、前年に比べると1.4万人も増加し過去最多の記録を更新しています。一方、人口10万対の年齢調整罹患率では、365.6と前年に比べ−0.2となり、増加に歯止めがかかったことが見られました。
  部位別に罹患数を見ると、男性では胃がん、女性では乳がんが最も多くなっています。胃がん、大腸がん、乳がんなどは早期発見して治療を受けることで最悪の事態は免れることができますから、がん保険の重要性がますます高くなっていると言えます。
順位と罹患割合 1位 2位 3位 4位 5位
男 性 胃(18.1%) 大腸(15.4%) 肺(15.3%) 前立腺(14.5%) 肝臓(5.7%)
女 性 乳房(20.5%) 大腸(15.8%) 胃(11.4%) 肺(10.0%) 子宮(7.0%)
  なお、今回の調査で初めて全都道府県のデータがそろい、地域間の比較もできるようになりました。地域における住民の年齢構成の差を調整して、都道府県別の罹患率を全国平均と比較した「標準化罹患比」では、東北から西日本にかけての日本海側で概ね高い傾向を示しており、とくに男性は秋田・和歌山・石川、女性は東京・福岡・石川などで全国平均を顕著に上回っていました。
  このような地域差は、食習慣をはじめとする生活習慣や環境などの違いによるものからくるように思われます。今後、さらに解明されていくことでしょう。
● 日本の高齢化率は過去最高を更新、高齢者は4人に1人以上
  2つ目は、総務省統計局から、昨年行われた国勢調査の抽出速報値の発表で、国立がん研究センターの発表と同じ日にありました。これによると、日本の65歳以上(高齢者)の人口の割合(高齢化率)は、5年前の前回調査の23.0%から26.7%に上昇しました。なんと4人に1人以上が高齢者となり、世界で最も高い水準です。
  高齢者世帯に限って見ると、男性の8人に1人、女性の5人に1人が一人暮らしをしています。また、老人ホーム等に居住する「社会施設の入所者」は168万5,000人となり、前回調査時の1.4倍に急増しています。
  高齢者の絶対数が増え続け、かつ一人暮らしの高齢者も増えていることを鑑みると、老後資金準備の必要性がより高まってきていると言えるでしょう。
  この2つの発表から、生命保険の商品の中でも、「がん保険」や「がん、急性心筋梗塞、脳卒中」の3大疾病のいずれかにかかった場合に保険金が受け取れる「特定疾病(定期)保険」、あるいは老後の資金準備としての「個人年金保険」の需要が高まっていると言えるのではないでしょうか。新契約募集の際、データに基づいた根拠ある数値を用いて、より自信を持ってリスク回避をする手段をお薦めしやすくなったと言えそうです。
参照  : 国立研究開発法人国立がん研究センター「日本のがん罹患数・率の最新全国推計値公表 2012年がん罹患数86.5万人 東京も初参加、全都道府県データ初収集」(2016年6月29日)
総務省統計局「平成27年国勢調査 抽出速報集計結果 結果の概要」(平成28年6月29日)
  
右田 修三 (みぎた・しゅうぞう)
一般社団法人ソーシャルバリューファーム 代表理事
千葉県出身。大手生命保険会社で、人事・教育関連部門、営業所長、査定部門の業務に従事した後、資格予備校勤務を経て独立。現在は、主に、学生の就活支援や失業者の再就職支援等を中心にキャリア啓発のための講義や、職業選択・職業能力開発に関するアドバイス等を行っている。
  
2016.07.11
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