> 今週のトピックス > No.3234 |
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建物状況調査の活用で中古住宅の取引を活発化
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「宅地建物取引業法の一部を改正する法律案」が、平成28年5月27日に国会で成立しました。既存(中古)住宅の流通促進を図るための市場環境の整備、宅地建物取引業の従事者の資質向上、消費者の利益保護の一層の徹底などが改正の目的です。
![]() ● 日本の中古住宅の流通割合は欧米の6分の1
このたびの改正の背景としては、次のようなことが挙げられています。
・国民資産である住宅ストックの有効活用 ・中古住宅の流通拡大による経済効果 ・ライフステージに応じた住み替え円滑化による豊かな住生活の実現 日本では、すべての住宅流通量に占める中古住宅の割合は、平成25年で14.7%と、欧米の約6分の1にすぎません※1。 国土交通省では、中古住宅の流通量が増えない理由の一つとして、買い手が住宅の品質を把握しづらい状況にあることを挙げています。このような背景を踏まえ、今回の改正では下記の通り「建物状況調査(インスペクション)」の活用が盛り込まれました。 ・売買の仲介業者は、買主にインスペクション業者の斡旋をする ・診断を実施した場合には買主に診断結果の概要を重要事項として説明する ・売買契約時に基礎や外壁の現況を売主・買主が確認したことを書面で交付する ![]() ● 価格面で有利な中古住宅は老後資金作りにも良い影響が?
今回の改正でインスペクションが活用され、建物の品質や安全性が担保されれば、売買後の建物や設備の不具合によるトラブルが軽減し、中古住宅を選ぶ人は増えるかもしれません。
中古住宅を経済性という側面から見ると、価格の低さによる家計負担軽減が、中古住宅のよさといえるのでしょう。例えば、平成26年度に三大都市圏で住宅を購入した人の購入資金総額を見てみると、分譲戸建住宅3,684万円に対して中古戸建住宅は2,358万円と、約1,300万円の開きがあります※2。 あえて中古住宅を選択し、ローンを含めた住宅費用を抑えることで将来のキャッシュフローに余裕を持つことができれば、老後生活資金の準備にメリットになるでしょう。また、筆者のFP相談の事例ですが、中古住宅を購入してライフスタイルに合わせリノベーションする選択も、若い年代を中心に見られます。 一生に一度のマイホームを、新築から住みたいという気持ちは十分に理解できます。しかし、少子高齢化による住宅需要の減少や、相続による空き家問題なども表面化しているいま、中古住宅の流通量を増やすことは優先されるべき施策と言えるでしょう。 ![]()
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2016.07.11 |
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