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パワハラ対策導入マニュアル第2版、相談対応法を加筆
● いじめ・嫌がらせのほとんどはパワハラ?
  今週のトピックスNo.3221でも紹介されているとおり、労働紛争の相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が4年連続でトップとなっています。厚生労働省の「平成27年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、全相談24万5,125件のうち、4分の1強にあたる6万6,566件が「いじめ・嫌がらせ」に関するものでした。
  いじめ・嫌がらせの内容は暴言に関するものが圧倒的に多く、厚労省では「パワハラという言葉が浸透し、小さなことでも相談する人が増えたのではないか」とみています。
  いじめや嫌がらせと関連が深いと思われるのが「パワーハラスメント」。昨年の6月、今週のトピックス3028で『パワーハラスメント対策導入マニュアル』を取り上げましたが、その第2版が7月7日に厚労省から公表されました。
  今回の第2版では、従業員からパワーハラスメントについて相談があった場合の対応方法が新たに盛り込まれています。職場で従業員からパワハラ相談があった場合、「相談対応はどのような点を注意するべきか」「どのように事実確認をすればよいか」「パワーハラスメントかどうか判断に迷った場合どうすればよいか」など、相談対応者が感じるであろう疑問点について、モデル事業に協力した21社の意見等を参考に、「社内相談窓口の設置と運用のポイント」として、新たに相談対応の方法が加筆されています。
  都道府県労働局や労働基準監督署、労使団体など、全国で5万部が配布される予定のほか、同省ポータルサイト「あかるい職場応援団」からも無料でダウンロードできます。
● 動画やチェックリストなどでパワハラを理解できる
  「あかるい職場応援団」では、パワーハラスメントの定義はもとより、パワハラの分類解説、パワハラ対策取組支援セミナーの案内、裁判例、モデル企業例、Q&A、相談窓口の案内などさまざまなパワハラ関連情報が提供されています。
  また、インターネットの特長を生かし、パワハラで悩んでいる方向け、パワハラと言われた管理職向け、パワハラが発生した会社の人事担当者向けと対象者別にチェックリストが用意されていて、回答することでどのようなタイプのパワハラか診断してくれます。さらに、タイプ別の動画による事例紹介もあるので非常に理解しやすいつくりになっています。
  そして「パワハラ研修資料ダウンロード」のコーナーでは、先述の『パワーハラスメント対策導入マニュアル』(第2版)のほか、社内の従業員の意識や実態を把握するためのアンケート例、相談受付票、行為者聞き取り票、取り組みリスト、管理者向け研修資料、従業員向け研修資料などがダウンロードできます。資料によってはカスタマイズできるものもあるので、それぞれの事業所に合った資料に作り直して活用することが可能です。パワーハラスメントが起きる前に是非ご活用ください。
参考  : 厚生労働省「『パワーハラスメント対策導入マニュアル』(第2版)を公表します」
厚生労働省「あかるい職場の応援団」
  
半田 美波(はんだ・みなみ)
社会保険労務士
みなみ社会保険労務士事務所 代表、株式会社サンメディックス 代表取締役
診療所で医療事務職として勤務した後、医療法人事務長、分院の設立業務担当を経て、2003年に医療機関のサポート会社・(株)サンメディックス設立。2004年にみなみ社会保険労務士事務所を設立。医療機関に詳しい社労士として知られる。
  
  
2016.08.01
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