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変額個人年金の特徴
●変額個人年金とは
  変額個人年金は、保険料が一般勘定で運用・管理される定額個人年金と異なり、特別勘定(ファンド)で運用・管理され、運用実績によって積立金・解約返戻金・死亡給付金・年金原資が増減する商品です。保険期間は、積立期間(据置期間)と年金受取期間の二つの期間で構成されます。
[一時払、10年保証期間付終身年金、年金額一定タイプの例]
(1)年金原資が払込保険料を上回った場合
(1)年金原資が払込保険料を上回った場合
(2)年金原資が払込保険料を下回った場合
(2)年金原資が払込保険料を下回った場合
(社)生命保険協会「主な個人保険商品の種類」より
●特別勘定(ファンド)で管理・運用
  変額個人年金の特別勘定(ファンド)は、国内・海外、債券・株式など複数用意されており、運用会社も異なります。ファンドで管理・運用される資産は毎日評価され、資産残高の増減に反映されます。
  ファンドの評価はユニットプライス(特別勘定資産の1単位(ユニット)当たりの価格)として公表され、こちらも毎日変動します。契約者は、複数のファンドから投資先を自由に選択することができます。
  また、運用期間中にファンドの組み替えを行い、積立金の組入比率を変更(スイッチング)することもできます。スイッチングの手数料については、一定の回数まで無料としている商品が多いようです。
  変額個人年金では、選択したファンドの運用利回りが低下するといった「運用リスク」は、契約者の自己責任となります。株式や外貨資産が組み入れられているファンドで運用する場合、高い収益も期待できますが、反対に運用が思うようにいかず、将来受け取る年金額が支払った保険料の総額を下回る(ハイリスク・ハイリターン)こともあるので、慎重な選択が必要です。
●年金受け取り前の死亡は払込保険料相当額が最低保証される
  運用期間中に被保険者が死亡した場合は、死亡時の積立金が遺族に支払われます。この時の死亡給付金額は、運用実績がマイナスとなっている場合でも、一般的に払込保険料相当額は最低保証されます。運用が好調に推移している場合に、死亡給付金の最低保証が契約応当日ごとに資産残高に応じてステップアップしていく商品もあります。
  しかし、年金の支払い開始後は死亡保障がなくなるので注意が必要です。
  変額個人年金では、死亡給付金に加えて元本に対する一定割合を災害死亡給付金として上乗せするのが一般的です。上乗せされる割合は、商品により異なります(10%〜60%)。死亡給付金の受け取り方法には、一時金で受け取るだけでなく、分割して年金として受け取る方法を選択できる商品もあります。
●変額年金の機能と種類
  年金受取期間中は、積立金を一般勘定に移行するタイプの商品と、特別勘定(ファンド)での運用を継続するタイプの2種類があります。
  一般勘定に移行するタイプの商品では、年金受取開始時点で年金原資が確定するため、年金額は定額になります。一方、特別勘定(ファンド)での運用を継続するタイプでは、年金原資を引き続き運用するため、年金受取開始後も運用成績に応じて年金額が変動します。
<変額個人年金の主な種類>
  1. 確定年金
  2. 保証期間付終身年金
  3. 保証期間付夫婦年金
  4. 一時金付終身年金
  5. 介護割増年金
  変額個人年金の場合、保険契約を維持するための費用、特別勘定(ファンド)の運用費用などが必要になります。諸費用は積立金(資産残高)から控除されます。
<変額個人年金にかかる主な費用>
  1. 保険関連費用
  2. 契約維持費用
  3. 積立金移転(スイッチング)手数料
  4. 年金管理費
  5. 運用関係費用
  長引く低金利、高齢化の進展、相次ぐ年金基金の破たんなどにより、少しでも有利な資産運用を求める傾向がある一方で、運用リスクを避けて最低保証がある商品にも人気が集まっています。銀行窓販によって、銀行でも複数の変額個人年金を販売していることから、今後も注目されていくでしょう。
2024.04.01
栗原
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