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老齢厚生年金の額
●60歳台前半の老齢厚生年金
  60歳台前半の老齢厚生年金は、定額部分と報酬比例部分からなります。定額部分と報酬比例部分の計算の方法は以下の通りです。
●定額部分
  給料の多い少ないに関係なく、厚生年金の加入期間によって計算される部分の年金を指します。計算式は、次のとおりです。
1,628円×生年月日による乗率×加入月数
  なお、加入月数については生年月日によって上限があり、昭和21年4月2日以降に生まれた人は480カ月になっています。
●報酬比例部分
  加入期間中の報酬額に比例して計算される年金です。当然、報酬(給与)が高くそれに見合う保険料を負担していた人が多くの年金をもらえるしくみになっています。平成15年3月までの期間と平成15年の4月以降の期間では取扱に大きな差があります。平成15年3月までは月々の報酬(給与)を基準に算出され、平成15年4月以降は月々の報酬(給与) と賞与を基準に計算されるからです。具体的には、(1)の平成15年3月以前の加入期間に関わる部分と、(2)の平成15年4月以降に関わる部分を別々に計算し、その合計額を受給するしくみになっています。
(1)平成15年3月以前分
平均標準報酬月額×生年月日による乗率(総報酬制前)×加入月数
(2)平成15年4月以降分
平均標準報酬額×生年月日による乗率(総報酬制後)×加入月数
●平均標準報酬月額と再評価率
  厚生年金保険では、給与をいくつかの等級にあてはめた仮の報酬をもとに保険料や給付の額を決めています。この報酬を標準報酬月額といい、平均標準報酬月額とは、厚生年金に加入期間中の標準報酬月額の平均額を指します。ただし、当然ですが、給与水準は時代により物価等が全く違いますから、昔の物価が低い時代の金額をそのまま使うと不合理です。そこで、標準報酬月額に一定の率(再評価率)をかけて修正をした後の平均が平均標準報酬月額です。
●平均標準報酬額
  総報酬制が導入された平成15年4月以降は、賞与も厚生年金の報酬比例部分を計算する場合の計算根拠となりました。具体的には、平成15年4月以降の各月の標準報酬月額とそれ以降に支給された標準賞与額(1回150万円が上限)を、平成15年4月以降の厚生年金の加入総月数で割ったものを年金計算の根拠として使うこととなったのです。これを平均標準報酬額といいます。月という数字が入るか入らないかで見分けますから注意が必要です。
●加給年金
  厚生年金に20年以上(中高齢の特例の場合は15年〜19年以上)加入している人に、生計維持をされている配偶者や18歳になった年度末までの子ども(1、2級の障害等級に該当する場合は20歳)がいる場合には加給年金が支給されます。 夫婦そろって20年以上の厚生年金に加入した場合は、加給年金は原則支給されません。
【加給年金の額】
受給者の生年月日
加給年金
特別加算
昭和 9年4月2日〜昭和15年4月1日
224,700円
33,200円
昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日
66,300円
昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日
99,500円
昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日
132,600円
昭和18年4月2日〜
165,800円
  子供は1人目・2人目は224,700円、3人目以降は74,900円として計算します。
  特別加算は妻のみが対象です。
●加給年金の支給開始年齢
  加給年金は特別支給の老齢厚生年金の定額部分の開始年齢にあわせて支給が開始されます。
  したがって定額部分がない昭和24年4月2日の男性(女性は昭和29年4月2日以降)は加給年金の支給開始は65歳になります。
●加給年金の支給終了
  加給年金は配偶者が原則65歳に達するかまたは、配偶者が20年以上厚生年金に加入した年金を受取り始めるとその時から受給できなくなります。
  加給年金の支給開始を決める基準は「本人の年齢」、支給終了を決める基準は「配偶者の年齢」ですので説明には注意が必要です。
●振替加算
  20年以上厚生年金に加入していない配偶者には、65歳以降、振替加算という名で配偶者自身の国民年金に付加され支給されます。振替加算は昭和41年4月2日以降に生まれた人には加算されません。
2021.04.01
保坂
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