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法人税とは
法人の所得に対して課せられる税金をいいます。つまり、広い意味での所得税ということになります。
法人税の性格
  法人税には次の2つの説があり、わが国では「法人擬制説」の考え方が強くなっています。
  1. 法人擬制説
    法人の利益を、出資者である個人が配当として受け取ったときに課税するという考え方です。したがって、法人の段階で課税される法人税は、個人の所得税の前取りと考えられます。

  2. 法人実在説
    法人の利益を、法人の段階で法人税として課税するとともに、その利益を、個人が配当として受け取ったときにも所得税として課税するという考え方です。
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法人税の種類
  法人税には次の3種類があります。通常、法人税といった場合には、「各事業年度の所得に対する法人税」を指すことが多いです。
  1. 各事業年度の所得に対する法人税
    法人の定款などで定められている営業年度(事業年度)の所得に係る法人税のことです。

  2. 清算所得に対する法人税
    法人が解散して残余財産が確定し、出資者に分配する場合の清算所得に係る法人税のことです。

  3. 退職年金等積立金に対する法人税(特別法人税)
    退職年金業務を行う生命保険会社、信託銀行など特定の法人だけに係る法人税のことで、「特別法人税」といわれています。ただし、政策上の理由から、2023年3月31日までの間に開始する各事業年度については、課税が停止されています。
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法人税の種類と課税範囲
  法人は内国法人と外国法人に区分され、さらに内国法人は次の図のように分類され、課税される範囲も異なっています。
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同族会社の特別な規定
  わが国の株式会社のほとんどは同族会社であり、同族会社は、少数の特定の株主によって支配されているため、法人税や所得税の負担を不当に減少させることがないように、特別な規定が設けられています。

留保金課税
  同族会社が、利益を株主に配当しないで社内に留保することにより、株主の所得税 の負担を不当に減少させることを防ぐため、一定の限度を超える留保所得に対して、特別税率の課税を行います。
  なお、資本金の額または出資金の額が1億円以下である中小企業は、留保金課税の適用対象から除外されます。

行為、計算の否認
  同族会社の行為または計算で、それをそのまま容認すれば法人税の負担を不当に減 少させてしまう場合には、税務署長は、その行為または計算を否認し、法人税の金額を計算し直すことができます。

役員の範囲
  同族会社の使用人のうち、一定割合以上の株式を持っている者で、その会社の経営 に従事している者は役員として取り扱われます。
2023.05.01
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