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相続税・各人の納付税額の計算 | |||||||||||||||||||||||
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1.各人の納付税額の計算式
「各人の課税価格」が把握できたら、それらを合計した金額から「基礎控除額」を差し引いて「課税遺産総額」を計算します。そしてこの課税遺産総額を基に「相続税の総額」を計算します。相続税の総額を各人の課税価格に応じて案分し、「各人の相続税額」を計算します。これに税額加算や税額控除などを行い、最終的に各人の納付すべき相続税額が決まります。
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※税額控除・・・贈与税額控除、配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除、外国税額控除
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2.基礎控除額
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各相続人および受遺者の課税価格の合計額がこの基礎控除額以下であれば、遺産がどのように相続されても、相続税は課税されません。
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3.相続税額の20%加算
被相続人の1親等の血族(代襲相続人である直系卑属を含みます)および配偶者以外の者と被相続人の養子となった被相続人の孫(代襲相続人である者を除きます)については、その算出相続税額に20%相当額を加算します。
このような加算規定があるのは、被相続人との血族関係の薄い人が財産を取得した場合は偶然性が高く、また遺産を孫に遺贈することにより、相続税の課税を1回免れることも可能であることなどから、税負担を調整するためです。 ![]()
4.贈与税額控除
暦年課税を適用した相続開始前一定期間※以内の贈与財産の相続税の課税価格への加算がある場合には、先に課税された贈与税額は、相続税額から控除することができますが、相続税額を上回っていても還付はされません。
※
2023年(令和5年)12月31日までの贈与
:相続開始前3年以内の贈与
2024年(令和6年)1月1日以降の贈与
:相続開始前7年以内の贈与
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5.配偶者の税額軽減
被相続人の配偶者が、相続または遺贈により財産を取得した場合には、配偶者の税額軽減の適用が受けられます。
これは、配偶者の老後の生活保障を図ること、配偶者の取得した財産は生前における夫婦共同の蓄積によるものであること、同一世代の財産移転であり再び相続される機会が近いことなどを考慮したものです。 ![]()
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つまり、配偶者の課税価格が、「1億6,000万円」と「課税価格の合計額のうち配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い方の金額以下であれば、配偶者の納付すべき相続税額はないことになります。
なお、配偶者が仮装または隠ぺいしていた財産を配偶者以外の相続人等が取得した場合には、その仮装または隠ぺいしていた財産に伴い増加する税額について、配偶者の税額軽減は適用できません。 ![]()
6.未成年者控除
相続または遺贈により財産を取得した人が法定相続人であり、かつ18歳未満である場合に適用があります。
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7.障害者控除
相続または遺贈により財産を取得した人が法定相続人であり、かつ障害者である場合に適用があります。
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8.相次相続控除
相続人が相続や遺贈によって財産を取得した場合に、2次相続の開始前10年以内に、被相続人が1次相続によって財産を取得したことがある場合に、2次相続の相続人の相続税額について税額控除が受けられます。相続を放棄した人、相続権を失った人については、相次相続控除を受けることはできません。
短期間の間に、重ねて相続の開始があったような場合、相続税の負担は相当重いものになりますので、その負担の調整を行うために設けられています。 ![]()
9.外国税額控除
国外の財産について、その所在地国で日本の相続税に相当する税が課税された場合には、国際間の二重課税を排除するために、その財産を取得した人については、日本の算出相続税額から一定額が控除されます。
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10.相続時精算課税に係る贈与税額の精算
相続時精算課税制度を選択している者については、税額控除の他に、相続時精算課税の対象となる財産について課税された贈与税の累計額が控除されます。なお、控除しきれない金額がある場合には還付されます。この還付金については、相続税の申告期限の翌日から還付金の支払決定日までの期間について計算した還付加算金が加算されます。
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2024.05.01 堀 |
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