“光陰矢の如し”。1カ月ごとに締切りを迎える営業の場合は、特に時間が経つのを早く感じる。平成次郎の場合も、いつの間にか4回の締切りを経験した。本社で事務をしていたときの感覚が抜けきらず、唯我独尊的であったため、組織長や職員から支持が得られなかったこと、ひょんなことから将来有望な新人二人が入社し、機関内の雰囲気が一変したこと、初めての大募集月、必死に頑張ったが目標には遠く及ばず悔しい思いをしたこと、さまざまな出来事が脳裏を駆け巡る。
4〜7月の第1三半期の業績は、新契約の増加保険金はマイナス17%、陣容面は大塚さん、永井さんの他に1名が入社したが2名が退社、他にも不安定な職員が2、3名おり、横ばいの状態である。最も深刻なのは、減少契約に一向に歯止めがかからず、増加保険金を累計で3億円近く上回っていることである。職員の収入も昨年度からほとんど減収となっており、賞与を手渡すときも気が重く、どう声を掛けていいのか戸惑うほどである。
これから年度の中央、第2三半期を迎えるが、このままでは同じ結果に終わるのが目に見えている。それどころか、虎の子の新人たちも思うように成果が上がらないので、いつどうなるか分からない。まして、迎えた8月は、夏休みもあり年間を通し最も難しい月といわれる。ここをどう乗り切るのか、第1三半期の業績を検討した結果、やはり販売力の向上しかないと次郎は判断した。
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