倉山社長から学んだ言葉、「まことに日に新たに、日々新たに、また日に新たなり」をかみしめながら、いま一度、機関の現状と問題を考えてみると、やはり次代を担う職員の養成が急務という点に行き着く。とりわけ、核となる組織長づくりがポイントと思われる。この点については着任時にも痛感したことだが、ふさわしい人材が見当たらずに断念した経緯がある。だが、いまは当時と状況が変わっている。永井さん、大塚さんという二人の有望な新人も定着し、三人の組織長も次郎に協力的になってきた。
一方、販売を取り巻く環境は相変わらず厳しく、次郎自身が率先垂範をした経験をもとにいろいろと指導してはいるものの、いかんせん長年の習慣と年齢的なものがネックになり、現在の組織長では限界が感じられ、全体への波及は難しい。入社してくる新人も、若い人は組織長との年代的なギャップのためか、うまく育たない。
新しい力、新しい波を巻き起こす、それを今やらねばならないし、そのチャンスでもある。そして、それは永井さん、大塚さんを組織長として育てあげられるかに懸かっていると次郎は熟考の末、結論を出した。
|