総額2兆円にも上るといわれている定額給付金。この給付金は全世帯対象とされているが、市町村レベルで所得制限をつけることもできるとのこと。
所得制限のあるなしを議論するつもりはないが、注目すべきは給付対象者である。
定額給付金の給付対象者は、基準日である平成21年2月1日において、日本国内のいずれかの市町村(特別区を含む)の住民基本台帳に記録されている者。ただし、必ずしも日本国内に居住していなくてはならない訳ではなく、海外に居住している者であっても、この条件に当てはまる場合は給付対象者となっているのだ!
海外居住者は、海外転出届の提出等により、基準日に日本国内いずれの市町村にも住民登録がない場合のみ給付対象外となる。
海外に居住しながら日本に住民票を置くなんてメリットがないのでは? と思うかもしれないが、充分すぎるほどのメリットがある。例えば所得税。日本国籍を保有していても、日本国内で所得がない場合には税金はかからない。国内で所得がないため、国民健康保険の年間保険料が数千円程度となっているケースがある!
日本の場合、株式口座が開設できるのは日本に住民票があることが要件だが、これもクリア。したがって、海外から日本のシステムによりデイトレを楽しむことが可能になる。
その他、海外に居住していても日本の生命保険の受け取りはできるし、海外で治療・入院した場合であっても、一定の条件のもと、日本で加入している医療保険の支給対象となるため無駄がない。
実際に、これらのメリットを得るため、海外に居住しているビジネスオーナーなどが、日本に住民票を戻している例は少なくない。
給付金は一人当たり1万2,000円。この金額が多いか少ないかは個人の感覚によるだろう。とはいえ、海外居住者は実際に住んでいる国のベネフィットだけでなく、日本のベネフィットも得られるというのは、何ともうらやましい限りである。
たかが給付金、されど給付金。日本の法律は、日本人に優しいのかもしれない…?!