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営業のアイデア
> お客さまを増やす、フォローする、次につなげる最強ツール「電話」
「今日は忙しいから明日かけよう」と思っているうちにズルズルと期日が迫ってきて「しまった!」なんてことを経験したことはないでしょうか?
取材で会ったある優績者は「初訪のアポ取り電話が一番嫌い」と断言していました。けれど実際は、金曜の午後と月曜の午前中をテレアポタイムと決めて、1回につき10〜15件電話を入れているのです。なぜその時間なのかと聞くと「ビジネスマンや経営者であれば週末に次週のアポイントを埋めていく。だから金曜の午後に集中して電話している。それでも自分のスケジュールが埋まらなければ月曜の午前に電話する」とのこと。本当にゆううつなときは1本もかけないそうで、自分なりのルールを作って続けることが成功の秘けつだということです。
飛び込み同様、電話で白地開拓するにはかなりの気合とテクニックが必要です。それを企業相手に見事実践している人がいたので、成功するコツを聞いてみました。曰く、「電話だけでは難しい。だから自分の名前を印象付けるひと工夫がいる」ということ。
その方法を紹介しましょう。まず、帝国データバンクや商工リサーチが出している企業情報や四季報を利用し、業種などでターゲットを絞ります。その後、電話する前にはがきか一筆封書を郵送します。これが+αの工夫です。その方は珍しい名字なので、「変わった名前のやつからはがきが来たな」と相手に自分の名前を印象付けてから、間を空けずに電話をかけるのだそうです。するとアポイントが取りやすいのだとか。「その他大勢とは違う営業担当者」と思わせられるなら、ほかのひと工夫でもよいでしょう。
アポ取りだけでなく、なかなか会えないからこそ電話することもあります。アフターフォローに電話を活用している優績者は「3カ月に一度の割合でやってくる暇な時期に電話している。相手とつながらなくても伝言しておけば、次のときに『何度も電話をもらって悪かったね』と相手が恐縮するぐらい。思いつくままにかけたほうが気分も楽だし、リラックスしてかける方が相手にもいい」と言っていました。彼の顧客リストは回転式名刺ホルダーになっていますが、時間が空くとパラパラめくって「今日はつながるかな?」とそのスリルを楽しみながら電話するそうです。一見、何気ないようですが、定期的に電話することで自分の存在をアピールし、顧客満足度を高めているのだと思います。
外資系生保の方のアイデア。「断りを受けた顧客」を電話する時期別に分類してリスト化し、見込客を再発掘。顧客ファイルを短期(1〜2カ月)、中期(半年)、長期(1年以上)の三つに分類し、断られたときの感触で次に電話する時期を決めて、その顧客情報のファイルを移していくというもの。「断りの内容を可能な限り書き残しておくと次のチャンスで成約につながりやすい」という。週に1回、このリストを使って電話するそうだが、相手と面識があり、前回電話してから時間もたっているため、状況が変化していて成約のヒット率も高い。
名字の珍しい方のアイデア。実は、いつも電話口で名前を聞き直されることに閉口していたので、先に文書で名前を伝えておこうと思ったのがきっかけ。企業開拓の場合、リストは一般にあるものを使用。ターゲットを絞り、事前にはがき、もしくは名刺を添えた一筆封書を郵送する。着いたころ合いを見計らって電話し、名前を告げると、たいてい経営者まで取り次いでもらえるという。
国内生保の方のアイデア。15年以上のキャリアで顧客数も増え、家族三世代にわたる契約もあるためアフターフォローの訪問時間が十分取れないのが悩みの種。そんな彼女が活用するのが「誕生月別ボックス」だ。月別にファイルボックスを作り、顧客を誕生月別に整理。1日1回、8カ月先のボックスをチェックし、電話をかけて近況について雑談する。環境が変わっている顧客のみ訪問し、継続顧客には誕生日カードなどを送付している。
外資系生保の方のアイデア。市販されている回転式名刺ホルダーを使って、暇なときにホルダーをクルクル回し、楽しい気分で電話する。入っている名刺は既契約の経営者のみ。相手も忙しいため、5回に1回ぐらいの割合でしか電話がつながらない。「今日はつながるかな?」「つながったら何を話そう…」そう自分の気持ちを高めて、ドキドキしながら電話すると、電話口での声も弾むのだとか。電話の話法パターンを持っている上級者向きの手法。