>
営業のアイデア
> はがき1枚が距離を縮める 相手に顔を思い出させる「レター」
地方のある優績代理店を取材したのですが、その方のポリシーが「営業は口マメ、手マメ、足マメでなければならない」というものでした。口マメとは相手が分かるまで根気よく説明してあげること。手マメとは会ったその日に必ずお礼のはがきを書くこと。足マメとは1日の訪問件数を落とさないこと。ナルホド…と納得し、取材から帰った3日後、お礼のはがきが届きました。「本当なら、わたしからはがきを出さなければならないはずなのに…」と恥ずかしく思う反面、客でないわたしに対しても「手マメ」を実践している姿に感動してしまいました。
たった1枚のはがきですが、読み返すほど会話をした2時間あまりが鮮明に思い出されます。「また会って話を聞きたい」――はがき1枚でもそんな気持ちにさせるのですね。
「書く」習慣がない人にとっては、はがき1枚でも大変なことかもしれません。お客さまに日常的にはがきを出している大手国内生保のある優績者は「暑中見舞いや年賀状を出すのは当たり前。だからなんでもない日常に、はがきを出すほうがいいのです」と言います。
書くのが苦手な人は、きれいな写真や絵のはがきを使って「お元気ですか? また近いうちにお伺いします」の一言を添えるだけでも相手には好印象なのだとか。「メールより手元に残る可能性が高いので、きれいな絵柄のはがきを使っています。毎日持ち歩いて営業の合間の休憩時に2〜3枚書くだけです」。長く会っていないお客さまには、自分の写真でオリジナルはがきを作って送ることもあるそうで、「はがきを見て思い出してくれていると思うと訪問する足も軽くなる」と言います。
また、ある生損保代理店の方は毎月1通、お客さま全員にニュースレターを送っています。内容は、入社したスタッフの紹介や自分のプライベートな出来事、保険に関係するお知らせなど、あくまでニュースです。
「難しいことは書いていません。子どもが生まれたことや旅行に行って見た風景など、写真も入れて作っています。小学生のころの学級新聞のノリです(笑)。きれいに作る必要はありません。わたしがどんな人間なのか知ってもらえて、会いにいく代わりにわたしの声が届けばそれでいいのですから」。
実際、このニュースレターを送り始めてからの方が、お客さまからの連絡がこまめに入り、営業成果にも結びついているそうです。訪問する時間が取れない、忙しい方にはおすすめかもしれません。
生損保代理店の方のオリジナルはがき。気に入っているいくつかの言葉を書体からデザインしてはがきにしたもので、100枚単位で作っている。会ったその日に相手の印象とお礼を直筆で書いて送っているそうだが、多いときは1日に10枚以上書くこともあるとか。大きく書かれた「感謝」の言葉には相手への思いが込められている。
大手国内生保の方のお気に入りはがき。絵や写真が好きな彼女は、いろいろなはがきをかばんの中に入れて、毎日持ち歩いている。お客さまを思い出しては1日に3枚程度、営業の合間の休憩時間を使って書く。長く手元に残るようにと、送る相手に合わせて選んだはがきは、リラックスさせるものばかりだ。たったひと言書くだけでも、気持ちのこもった贈り物になる。
生損保代理店の方のアイデア。毎月1通、定期的にニュースレターを手作りで制作し、顧客全員に配布する。内容は、地域で起こった出来事や自分のプライベートなこと、代理店からのお知らせなど。最初はすべて手書きだったが、最近は書く内容が増えたため、手書きとパソコンを併用している。自分の友人や家族に手紙を書く感覚で作っているためか、「前より○○さんのことがよく分かる」とお客さまにも好評だ。
独立FPの方が事務所を開業してから続けているクリスマスカード。市販のクリスマスカードにひと言添えるだけだ。暑中見舞いや年賀状は、日本で慣例になっているためだれもが送るが、クリスマスカードは仕事ではめったに送らない。珍しさと印象に残るためか、初めて送った相手からは、必ず何らかの返事をもらえるという。