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顧客の抵抗感をなくすことから始める「紹介引き出し」
個人顧客の紹介は提案時から
  「こんな保険があるの? 保険料もずいぶん下がったわ」。
  「よければ、同じ保険に関心を持ちそうな方をご紹介ください」。
  顧客が驚いて興味を持った瞬間を逃さずに、次の紹介を引き出す。これは地域トップシェアを誇る総合代理店の方法です。損保とは違って生保を提案する際は、生活の内容や収入などプライベートな情報をある程度さらけ出してしまうことで、相手が心を許すようになり、紹介に結びつきやすくなるそうです。
  ある外資系営業担当者は、初回の訪問から積極的に紹介を依頼しています。それでも顧客の抵抗に遭わないのは、年金や介護など公的な社会保障制度の解説に徹するから。
  「紹介していただいた○○さんも、最初はこの話をご存じありませんでした。有意義だと思っていただけたなら、今日は3人の方をご紹介いただけませんか?」。
  また堂々と「この仕事では、紹介を頂くことが信頼の証(あかし)なのです」と宣言する人も。誠実な営業をしている自負があればこそ、こんなセリフがさりげなく決まるのでしょう。
信頼関係でつながる法人の紹介
  130余の中小企業顧客を抱える国内生保担当者の場合、最初は大学時代の先輩である銀行支店長に紹介を依頼したものの、その後は企業にかかわる税理士などから自然に紹介が舞い込むようになりました。
  ただし人を見る目が厳しい経営者の信頼を得るには、焦らないことが肝要。人間関係を築いていくうちに、企業のほうから有力な税理士を紹介してもらえる機会もあるそうです。
  同じく法人契約をメインとする代理店の方も、突然、既契約の経営者から電話がかかってきて「知り合いの社長に君の話をしておいたよ。連絡してみて」と言われるそうです。9割以上を誇る成約率の秘けつは、小まめな報告。最初に連絡した後、途中経過、成約後の状況まで、間を空けずに電話を入れます。
紹介のストレスを感じさせない
  成功のカギは、紹介する人・される人の両方にストレスを感じさせないことです。そのため、提案書などはあえて目の付くところに置かないという営業担当者もいます。
  「『保険屋なんか紹介しやがって!』とは言われたくありません。『心配してくれたから保険会社の人を紹介してくれたんだね。僕もだれか紹介しようかな?』と思っていただけるように心掛けています」。
  極意を語ってくれたこの担当者も、以前は「目が『保険をください』と訴えていた」そうです。その思いを振り払ったときこそ、紹介引き出しの達人と言われることでしょう。
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アイデア1 手作りのプレゼンファイルで提案時の感激を印象づける
  地方で伸びている損保系代理店の方。生保の見込客はほとんど紹介で増やしているが、秘密兵器は手作りのプレゼンファイルだ。
  100円ショップでファイルを買い、顧客ごとに提案書やパンフレットを綴じ込んで、成約の際に手渡す。これだけでもほとんどの顧客が「自分のためにここまでしてくれた」と感激するのだが、威力を発揮するのはここからである。「証券が到着次第、一緒に確認したいので電話してください」と頼んでおくのだ。訪問日まで、証券は先のファイルへ大事に保管しておくよう念を押す。
  こうしてファイルの存在が強く印象づけられるため、証券を確認し終わった後でひと言依頼するだけで、たいてい複数の紹介を頂けるそうだ。ファイル作成の手間はかかるが、効果はてきめん。凝り性の人にお勧めである。
アイデア2 親方に花を持たせて徒弟たちから一気に成約
  一般の個人顧客にしぼって活動し、MDRT常連になった外資系生保担当者。効率のよい紹介依頼方法を模索して、個人事業主の特性に目を付けた。
  業務の特性上、同業者のつながりが強いので、中心人物に声を掛けると一気に紹介が広がるのだという。最近では建設現場で大工や左官工との付き合いが増えてきたが、コツは会話の中で親方に花を持たせることだ。
  「親方には保険の担当者がいなくて困ったそうです。あなたが同じ目に遭ったらいけないと心配して、紹介してくれたのです」。
  もちろん、親方と十分人間関係ができた上で、本心から話さなくては意味がない。だがうまくいけば一度に5〜6人からの成約も珍しくないという。体育会系の人間関係が性に合う方はぜひ。
アイデア3 間接紹介で人間関係の奥行きを広げる
  ストレートに「紹介してください」とは言わない。それでも忘れたころに紹介が来るという外資系生保担当者は、そのパターンを「間接紹介」と呼んでいる。何の契約関係もない知人から、間接的に見込客の情報がもたらされるというのだ。
  彼はボランティアや趣味のゴルフなど、多くの団体に所属している。だが自分から保険の話はしない。どんな仕事をしているのか聞かれたときに、話すだけである。それでも親しくなれば「自分は都合があって契約できないが、家族や友人なら紹介できる」と言う人が現れるそうだ。
  どんな人を紹介されるか事前に分からない反面、人間関係の奥行きが予想以上に広がるのが利点である。時間はかかるが、結果として豊富な見込客を抱えることになる。当面のベースマーケットを確保していて、じっくり顧客開拓に取り組みたい人に向いている。
アイデア4 新規開業法人にかかわる士業・銀行に注目
  人脈づくりに熱心な損保系代理店の方のアイデア。注目するのは新規開業法人だ。
  そこに食い込んでおけば、会社を興すときに欠かせない税理士、弁護士、司法書士といった士業の専門家や、銀行との付き合いを広げることができる。
  彼らから見込企業を紹介されるだけでなく、自分の友人の中からさまざまな分野の専門家を紹介することもある。大学時代の仲間の多くが弁護士や会計士、税理士を開業しているため、いつでも協力できるネットワークがあるのだ。同窓会で幹事を任されるような世話上手な人には、この方法が合っているかもしれない。
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