> 今週のトピックス > No.1006 |
第10回債の個人向け国債の販売額に注目 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
● 上昇傾向にある長期金利
今年に入って若干低下傾向だった長期金利が、ここ最近、上昇のシグナルが見えてきた。今年に入ってからの長期金利の推移をまとめたものが次のグラフである(図表1)。
【図表1 長期金利の推移(05年1〜3月)】
今年の2月2日に約1年ぶりに1.27%と、1.2%台へ低下した長期金利は、それ以降反転し、現在は1.4%台後半を推移している。一般的に長期金利の変動に影響を与える要因として、(1)期待インフレ率、(2)期待潜在成長率、(3)リスクプレミアムの三つがあるといわれているが、今回の上昇の要因は、原油高などのインフレ要因や力強い成長を見せている日本経済が影響していると思われる。
● ペイオフ対策としの郵政公社の販売額に注目
この上昇によって注目されるのが、個人向け国債の第10回債の販売額だろう。第9回債(2005年1月11日発行)の金利は0.67%で、第8回債の0.73%に比べ0.06%低下したため、販売額も1,005億円減少し、1兆7,647億円だった。しかし4月11日に発行される第10回債は、今回の長期金利上昇で、第8回債と同様に0.73%となった。次のこれまで発行された個人向け国債の金利と販売額の推移を見れば、金利が販売額に大きな影響を与えることは明らかである(図表2)。
【図表2 個人向け国債の販売状況】
また、この個人向け国債の販売においては、郵便局の販売額にも注目したい。
郵政公社はほとんど毎回、全体の1割以上を販売しており、最近の販売額は2,000億円を大きく上回っている。 今回、長期金利上昇に加え、ペイオフ対策の受け皿商品として、個人の預金から個人向け国債へ資金が流入すれば、第1回債の発行開始以来、初めて販売額が2兆円を突破することも考えられる。その意味で、第10回債の販売額、そしてそのうち何%を郵政公社が販売するのか注目したい。 参考:財務省HP、郵政公社HP
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2005.03.28 |
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