> 今週のトピックス > No.1007 |
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新入社員のタイプの変遷 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 昭和入社の新人は扱いにくい?
今年の新入社員のタイプは『発光ダイオード型』であると、(財)社会経済生産性本部が命名した。昭和48年から現代コミュニケーションセンターが命名してきたものだが、平成15年からは、社会経済生産性本部が引き継いで命名している。
ちなみに、昭和48年入社の社員は『パンダ型』で、おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変という理由で命名されていた。今や企業の経営層となっている社員も、かつてはこのように皮肉な目でみられていたのである。 表にあるように、33年間の命名の変遷をみると、タイプ名は時流や流行を反映して移り変わっているものの、特徴にはいくつか面白い傾向が見られる。 まず、昭和入社の社員に対して「今年の新入社員は扱いにくい」と常に思われている。「人になつかず」「群れからはずれやすく」「ほかと音程合わず」「扱い方もむずかしい」「装着大変」などという単語が並んでいる。当時は『新人類』という言葉もあり、新入社員は自分たちとは違う価値観を持っているとみられていた。また「画一的」「見た目はきれい」「大きさと形は同じ」など個性の不足を指摘するコメントも多い。 ![]() ● 平成社員の能力を引き出す工夫が必要
それが平成に入るにつれて、「改良次第」「煮ても焼いても食えそう」「情報処理能力」など、潜在能力の高さが評価されるようになってきた。ただし「装着の具合次第」「読取機次第」「うまくいけば必需品」「育成方法の向上次第」「中高年には使いこなしきれない」「型くずれ防止必要」など、その能力を生かすには指導・育成次第であることも念押しされている。さらに「メンテナンスが必要」「評価をしないと」「叱責に弱い」など、褒めながらやる気を引き出す必要があるとしている。
これらを総括すると、昭和入社の新入社員は「組織になじまない上、個性もないが、仕事を通じて自分たちのような社員になるだろう」という期待がある一方、「会社人間」としても同質性が求められている。 昭和の終わりから平成初頭のバブル期が終わったころから、国際化、IT化の進展で会社員に新しいスキルが求められるようになるに従い、またこれまでのビジネスの手法が見直されるにつれて、新入社員のスキル・能力が見直されるようになった。そして会社は、それをうまく社業に生かすような育成・指導方法を模索するようになった。会社人間の時代と異なり、社外への流出の危険があるからである。 その意味で、新入社員や若手社員にとって魅力ある会社になることが、経営者のテーマといえる。 ![]() 【新入社員のタイプの変遷】
![]() 参考:財団法人社会経済生産性本部「平成17年度 新入社員のタイプについて」
![]() (可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
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2005.04.04 |
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