>  今週のトピックス >  No.1025
変身は本物?サービス向上に乗り出す社会保険庁
●  社会保険庁改革の行方
  社会保険庁は、年金に関するサービス向上の一環として、昨年から55歳以上の加入者を対象に年金加入記録照会・年金見込額試算のサービスを開始した。対象者にとっては大変喜ばしい試みといえるが、申し込みが殺到しているため、回答が戻ってくるまで1カ月ほど待たされるケースもあり、回答期間の短縮が新たな課題として浮上している。
  このようにサービス向上の努力が見られる一方、社会保険庁職員の汚職や監修料の問題など不祥事も多く、もはや怒りを通り過ぎ、呆れて言葉も出ないという国民も少なくないのではないだろうか。
  社会保険庁は、信頼回復のために、サービス向上につながるアンケートを実施、その結果を反映させ、迅速なサービスをめざす「サービススタンダード」を発表しているが、単なるパフォーマンスで終わらないようにするためにも、実際に行動で示し、国民が納得できる体制を整えていかなければならないだろう。
●  年金相談の体制がより充実
  社会保険庁の業務の1つである年金相談については、国民からの厳しい声を受け、年金相談体制を徐々に充実させている。詳しくは次のとおりである。
1.年金相談時間の拡大
(1)月曜夜7時までの相談時間の延長
  平成17年度は、第2月曜日は全国すべての社会保険事務所(312カ所)で、その他の月曜日は全国272カ所の社会保険事務所において、それぞれ夜7時まで受付時間を延長し、年金相談を行う。
(2)土曜・日曜における年金相談の実施
  平成17年度は、毎月第2土曜日に全国すべての社会保険事務所(312カ所)と13の年金相談センターで年金相談を実施。また4月から9月までの第3土曜日にも、一部の社会保険事務所などで年金相談を行う。
(3)ファクシミリによる年金相談の実施
  平成17年4月より、耳が不自由な方や、電話による年金相談を行うことが困難な方々に配慮し、ファクシミリによる相談に取り組んでいる。
2.年金相談体制の整備
(1)年金電話相談センターの新設
  平成17年4月1日からは、新潟、福島、群馬、栃木、三重、熊本の6カ所を新たに加え、電話相談センターを全国で23カ所に拡充する。
(2)年金相談センターの新設
  社会保険事務所における年金相談窓口の混雑緩和のため、全国の大都市に来訪相談に応じる年金相談センターを次々と新設している。
(3)年金相談窓口の拡充
  所沢社会保険事務所と川越社会保険事務所の窓口を大幅に拡大し、待ち時間の減少に努めている。
参考:社会保険庁トピックス
(庄司 英尚、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2005.05.02
前のページにもどる
ページトップへ