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先輩と意見が対立しそうな場合、4割近くが「黙っている」
〜2005年新入社員意識調査〜
●  薄れゆく組織への抵抗感
  (財)社会経済生産性本部は、新入社員の仕事に対する意識調査を毎年継続している。この春に入社した新人社員の意識調査の結果が先ごろ発表された。
  昨年までの回答と比較すると、今年の新入社員は会社組織を前向きにとらえているようだ。例えば、「ミーティングでよいアイデアを思いついたが先輩と意見が対立しそう」な場合に、「黙っている」が昨年より4.1ポイント増えて38.2%。逆に「自分の意見をハッキリ言う」は4.1ポイント減って61.8%となった。なお「黙っている」との回答は、男性が33.3%であるのに対し、女性が51.2%と大きく差がある。
  職場内の仕事の役割分担についても「あらかじめハッキリ分担が決まっている職場」を望むのは、4.1ポイント減の38.4%、「必要に応じて役割を調整する職場」は4.1ポイント増の61.6%となっている。なお、男女別では後者の回答は男性では63.4%、女性では56.7%と開きがある。
  職場内のコミュニケーション手段は、「コンピュータを使う」のが望ましいとするのが5.8ポイント減の19.1%、「対話による」が5.8ポイント増の80.1%となっている。
  「上司は細かいことは下に任せて欲しい」とする回答も、6.7ポイント減の47.0%となっており、管理や指導に対しての拒否感の希薄さが浮き彫りになっている。
  このように、新入社員が会社という組織に対して抱いている抵抗感は、昨年に比べ薄らいでいるようだ。
●  転職には慎重だが、男女間で格差あり
  また、転職に対しては一般に年々抵抗感がなくなっているが、今年の新入社員は「フリーターも悪くない」と思うのは、3.1ポイント減の33.1%、「条件のよい会社があれば移るのが得」と思うのは3.3ポイント減の30.4%となった。
  一方、「起業して独立したい」とするのは、3.6ポイント減の23.4%。「海外や日本人以外の職場で働きたい」という回答は、11.8ポイント減の35.1%となっている。
  転職についても、「しないに越したことはない」という回答が3.3ポイント増の24.8%、「何度してもかまわない」は3.9ポイント減の18.0%となっている。「今の会社に一生勤めようと思う」が8.5ポイント増の38.3%、「転職してもよい」は11.9ポイント減の38.8%となっている。
  なお、転職についての意識は男女間でかなりの開きがあり、転職を「しないに越したことはない」は、男性が27.4%に対し、女性は18.2%。また「転職してもよい」には男性は38.8%、女性が50.7%となっている。
  企業の新卒採用が増加し始めているため、以前に比べて納得のいく就社ができたことが転職志向を弱めているのではないか。また女子学生も就職は男子に比べればまだまだ厳しく、それが転職志向の差になっているのではないか。
参考:財団法人社会経済生産性本部「第16回2005年度新入社員意識調査」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2005.05.09
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