>  今週のトピックス >  No.1030
1位全日本空輸、2位トヨタ自動車、3位JTB
〜大学生の就職志望ランキング〜
●  キーワードは「旅行・運輸業」「安定性」「ブランド力」
  リクルートが2006年3月に卒業予定の大学生に対する就職志望企業ランキングを発表した。人気が高かった企業に共通するキーワードは「旅行・運輸業」「安定性」「ブランド力」の三点。業績や評判が必ずしも就職希望に影響するわけではないことが浮き彫りになった。
  調査期間は今年2月の下旬から3月の上旬で就職活動中の学生約2万人から回答を得た。1位は昨年6位だった全日本空輸で、調査開始以降初めてトップの座を獲得した。「旅行・運輸業」というキーワードで見ると、3位にJTB(昨年も3位)、4位JR東海(昨年7位)、11位JR東日本(昨年12位)が上位に顔を出している。運航上のトラブルが相次ぐ日本航空も昨年の5位からは後退したものの、JR東日本と同じ11位に入った。このことからも旅行・運輸業の人気が根強いことがうかがえる。
●  安定性で評価?自動車メーカー、商社の人気ぶり
  世界的な需要の高まりで業績が安定している自動車メーカーは、トヨタ自動車(2位)、日産自動車(7位)、ホンダ(19位)の国内ビッグスリーがいずれもベスト20にランクイン。特にトヨタ自動車グループはデンソーが43位(昨年45位)、アイシン精機が47位(昨年74位)、豊田自動織機が98位(昨年163位)とグループ4社がそろって100位以内に入った。2005年3月期に軒並み最高益を上げている商社も、三井物産(昨年29位から28位)、三菱商事(34位から29位)、住友商事(56位から34位)など大手の多くが順位を上げている。
●  ブランド志向の一方で地道な採用活動が評価される企業も
  ブランドの知名度が高い企業は就職人気も健在だ。資生堂は早期退職の実施で2005年3月期の業績が赤字に転落したが、就職ランキングでは22位から18位にランクを逆に上げた。主力のテレビが振るわないソニーも昨年から順位を1つ下げたものの、21位に踏みとどまった。ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドは昨年の33位から24位に順位を上げている。
  採用活動が就職ランキングを左右することも見逃せない。日立製作所は昨年の85位から10位にランキングを大きく上げたが、これはリクルートによると「インターネット、情報誌、イベントなどを通じて積極的な採用広報を行い、会社説明会も精力的に実施した」からだ。デジタル家電景気が一服し大手電機メーカーが順位を下げる中での大躍進となった。説明会・セミナーの満足度調査で1位だったのは、組織人事コンサルティングのリンクアンドモチベーション。「知名度は低いが、創業者の社長が頻繁に顔を出したことが、満足度向上の要因となった」(同社)という。
  ちなみに、企業を選択する基準は、「自分がやりたい仕事ができる」がトップ。前年との比較では、「家族・友人に自慢できる」「企業や商品がブランドとして広く認知」「待遇がよい」「雇用が安定している」などの回答が増えている。
2005.05.09
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