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婚姻数、出生数ともに過去最低―厚生労働省「人口動態統計」
●  年間出生数は過去最低の111万人
  2004年の「人口動態統計月報年計」が厚生労働省より発表された。それによると、少子・高齢化の一層の進展が確認された。
  具体的に数値を見ていくと、まず2004年1年間の出生数は約111万人で、前年を1万人以上下回り、過去最低の数字となった。かつては1947年から始まったベビーブームで年間最高で269万人の出生を記録。1971年からの第2次ベビーブームでも年間最高で209万人が出生した。しかし、1990年代後半に到来が予想された第3次ベビーブームは訪れず、逓減傾向にあった出生数が一時的に横ばいで推移した程度にとどまった。そして、2000年頃から出生数は再び逓減傾向を強めている。
  出生数減少の直接的な原因は、晩産化である。第1子を出産した時点での母親の年齢は年々高くなっており、1965年では25.7歳、1985年では26.7歳、1995年では27.5歳、2001年では28.2歳、そして2004年では28.9歳である。初産が後倒しになることで出生数が前年を下回りがちになるうえ、第2子以降を出生できる期間が狭まることになり、女性一人あたりの出生数も減少するという構図だ。
●  女性1人が生む子どもの数は1.29人
  一人の女性が一生で産む子どもの数を統計的に算出した合計特殊出生率は1.29人と前年と同じだったが、その推移を見ると1975年で1.91人だったのが、1985年で1.76人、1995年には1.42人、2002年1.32人と減少を続けている。男女一組が1.3人しか子どもを生まなければ、人口は確実に半減する。
  合計特殊出生率を地域別にみると、前述したとおり全国平均で1.29人に比べ、東京都では1.00人となるなど、都市部ほど低く、将来の一層の出生率低下が懸念されている。
●  婚姻組数も過去最低の72万組
  出生数に影響するとされる新たな婚姻数も、年間で約72万組と前年より約2万組減少しており、過去最低を記録した。
  前出のベビーブームとも関連するが、1943年には年間で95万組が成婚。そのベビーブーマーたちの結婚ラッシュとなった1973年には107万組が結婚。その後、70万組を割り込んだものの、第2次ベビーブーマーが成婚した2001年には79万組まで回復。しかし、その後は急速に減少傾向が続いている。
  離婚数も1990年代から一貫して増加しており、2002年は28万組であった。離婚の増加は結婚している夫婦数の減少につながり、出生減にも直結する。ただ、離婚数そのものはここ2年間減少しており、2004年では27万組である。この理由は婚姻数自体の減少によるものと思われる。最近の離婚の傾向として熟年離婚が増えていると言われるが、図表に示すとおり、30年前と比べると、同居5年未満の離婚の割合が減り、20年以上の割合が増えている。
【同居期間別離婚数の割合】
【同居期間別離婚数の割合】
出所:「平成16年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2005.06.27
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