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日経平均株価1万2000円台を回復、4年ぶりの高値水準に
●  2年で約5000円の上昇
  東京株式市場で日経平均株価が1万2,000円台を回復するなど、日本企業の株価上昇が鮮明だ。国内景気が本格回復するとの期待もあり約4年ぶりの高値水準となった。日本企業の好業績を受け、外国人投資家を中心に幅広い銘柄で買いが入っている上、国内で個人投資家のすそ野が広がっていることが背景にある。
  日経平均株価は2003年の4月に一時7,700円を割り込みバブル崩壊後の最安値を記録した。2003年頃の日本経済はデフレのまっただ中。企業はリストラの最終コーナーを回っていたが、物価が下がるデフレの影響で業績が思うように伸びず財務の改善が進まなかったため、株価もなかなか底を割らなかった。
●  持ち合い解消が進む
  株安の打撃をもろに受けたのが金融機関だ。戦後日本の金融機関と企業は経営の安定を目的に、大量の株式を保有し合ってきた。経済が右肩上がりだった1980年代末まで持ち合いは有効だった。株高で含み益をため、金融機関は低利で資金を調達できたからだ。だが、バブル崩壊を機に株価が下落に転じると、大量に保有している株式は含み損を出し、金融機関の業績は悪化する。銀行の貸し渋りが企業の設備投資を縮小させ、企業の業績がさらに悪化する負の連鎖を生み、株価は下落の一途をたどったのだ。
  2003年当時、日本では証券取引所などに上場されている株式のうち、金融機関と企業が計6割強を保有していたが、持ち合いを解消するべく株を売却した結果、現在は2割程度まで減少した。こうした売り圧力が一巡したことが株高の一因となっている。
●  外国人投資家の台頭と急増する個人投資家
  外国人投資家の日本株買いが加速していることが二つ目の要因だ。東京証券取引所が発表した8月第2週の投資主体別売買動向で、外国人の買越額は約7,000億円と今年最高を記録した。例年この時期は夏休みのため相場は盛り上がらない。しかも衆議院の解散で政局が混乱し日本株は一時的に売られるという観測が流れた中、外国人投資家が買い支えた結果、相場は逆に上昇した。
  さらに国内ではネット上での株式売買が一般化し、個人投資家が急増。年金への不信感から、株式投資で資金を積極運用するという考え方が浸透してきた。株価が上がれば、個人投資家層がさらに買いを増やすことも考えられ、株価の上昇基調は今後も続く可能性が高い。
2005.08.29
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