>  今週のトピックス >  No.1105
上司への報告、あなたは口頭派?メール派?
−「新入社員のコミュニケーションスタイル調査」
●  上司への報告は「口頭」53%、「メール」23%で口頭に軍配
  産業能率大学は、このたび今年各企業に入社した新入社員を対象に職場やプライベートでのコミュニケーション方法などについてのアンケートを行い、「新入社員のコミュニケーションスタイル調査」としてまとめた。2000年度に続く2回目の調査で、質問項目のうち前回と共通しているものについては経年比較も行い、時代の流れとともにどのように変化したかも理解できる。コミュニケーション能力は採用条件として重視される傾向が高く、このような調査結果は各企業にとって貴重な参考データになるに違いない。
  調査結果によると、まず上司への報告や連絡の伝えやすさについては、「口頭」(53%)が「メール」(23%)を上回った。これはある意味で当然だとしても、注目すべきなのはメール派が2割以上いるという点である。この事実は、“メール世代”の台頭とともに、コミュニケーションツールとしてのメールが不可欠な存在となりつつあることの証明ではないだろうか。
●  外部との連絡は「電話」より「メール」が多数
  上司とのやりとりは「口頭」を希望する人が多かったが、これが取引先など外部への連絡となると「メール」(43%)が「電話」(38%)を上回る結果となっている点には特に注目したい。とりわけ女性は56%が「メール」と回答している。
  この理由を推測してみると、相手への気遣いも1つの理由にはなっていると思うが、メール世代の新入社員にとって「メール」が「電話」よりも気軽な存在であることが大きな背景になっているのではないだろうか。また電話では、敬語や話し方などで緊張したりする場面も多いが、メールであれば直接会話する必要もなく、ゆっくり対応できるという点も理由になっていると思われる。
●  メールの返信は「その日のうちに出すべき」が7割超える
  また、お客さまからの問い合わせのメールを受けた場合の返信については、73%が「遅い時間でなければその日のうちに」返事を出すべきと思っており、仕事に取り組む姿勢としては評価すべきである。電話と違いメールであれば遅い時間でも迷惑にならないということもあり、外部とのやりとりは、今後ますますメールを有効に活用していく機会が増えていくのではないかと思われる。
  一方、メールを送る際の絵文字や顔文字の使用については、知人との間では8割以上が使っているが、仕事でのメールに顔文字などを使用することについて63%が「使うべきではない」と回答している。この数字をどのように受け止めるかは、人によってさまざまであるが、少なくとも相手をよくみて対応していくべきであろう。
  「社外の人との私用メール」は、ほとんどの企業が就業規則などで禁止しているにもかかわらず、当たり前のようにやっているケースもあるようだ。
  各企業は、コミュニケーションを活性化させるため新入社員の特性を理解し、コミュニケーションツールを状況に応じて正しく使いこなせるように指導していくことが大事なのではないだろうか。
出所:産業能率大学「2005年度新入社員のコミュニケーションスタイル調査」
(庄司 英尚、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2005.09.20
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