> 今週のトピックス > No.1176 |
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耐震強度偽装問題による税務の取り扱い | ||||||||||
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![]() ● 住宅ローン控除の適用可否
連日報道されている「耐震強度偽装問題」であるが、税制上の取り扱いがいくつか明らかになっているのでその詳細を解説しておこう。
まず、住宅ローン控除の適用関係についてである。住宅ローン控除の適用要件として、「住宅を購入又は新築してから6ケ月以内に居住の用に供し、その年の12月31日まで引き続き居住していること」というのがある。しかし今回の偽装問題で、やむなく年の途中で住むことができなくなったケースが出てきている。この場合、原則通りだとすると、住宅ローン控除の適用ができなくなるという問題があった。 しかし国税側としては、今回の偽装問題を税制上「災害認定」することにより、住宅ローン控除が適用できることとした。つまり、災害の場合には、先ほどの要件である「12月31日まで引き続き居住」というのが、「災害により居住できなくなった日まで居住」していれば、住宅ローン控除が適用できるということである。またこれは、平成17年中に購入・入居した場合も、確定申告により住宅ローン控除の適用ができる。 ![]() ● 雑損控除の適用可否
さらに今回の偽装問題が、税制上「災害認定」されたことにより、「雑損控除」の適用も受けられるということである。これは、確定申告して税金の還付を受けるということになる。
雑損控除とは、災害によって、住宅や家財、衣類などの資産について損害を受けた場合に所得控除として一定の金額を全体の所得金額から控除することができるものである。ちなみに別荘やぜいたく品は対象外である。雑損控除として控除できる一定の金額とは、大まかには全壊する前の住宅や家財の時価から受取保険金を差し引いた「実質損害金額」である。しかし、災害にともなって支出した金額(住宅や家財を除去するための費用など)の方が高ければそちらを控除金額としてくれる。詳細は、下図「雑損控除として控除できる金額」を参照していただきたい。 「雑損控除」の有利なところは、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額からも控除することができる点である。 ![]() 【雑損控除として控除できる金額】
![]() (今村 仁 今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
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2006.01.23 |
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