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確定申告は「確定申告書等作成コーナー」の利用を!
●  モノクロ印刷でも提出可能に
  確定申告期に国税庁が力を入れているのは「自書申告」の推進だが、そのための強力なサポートツールが同庁ホームページで提供している「確定申告書等作成コーナー」である。インターネットの普及とともに年々利用者が増えており、昨年の確定申告期の同作成コーナーへのアクセス数は前年比98%増の1,023万件と大幅に増加しており、今年はさらなる利用者の増加が予想されている。
  同庁でも機能を改善し、これまではカラープリンタで印刷した申告書しか税務署に提出できなかったが、今回からはモノクロプリンタで印刷したものでもそのまま提出可能となった。また、作成したデータを国税電子申告・納税システム(e-Tax)に引き継いで送信することもでき、入力途中で席をはずす場合でも一時保存機能を使えば、いつでも再開が可能となるなど便利な機能もある。
●  確定申告書・青色決算書が簡単作成
  作成できる申告書等は、(1)所得税の確定申告書(A様式、B様式のほか、退職所得、株式等の譲渡及び先物取引に係る所得がある場合に使用する申告書第三表(分離課税用))、(2)青色申告決算書等(青色申告決算書及び収支内訳書の一般用、農業所得用、不動産所得用)、(3)消費税の確定申告書(個人事業者が作成する「消費税及び地方消費税確定申告書」の一般用及び簡易課税用)、などとなっている。
  同作成コーナーを利用すれば、ほとんどの場合の確定申告書や青色申告決算書等が作成できるが、土地や建物の譲渡所得がある申告書や複数の事業等があるため、同じ種類の決算書を2回以上作成する場合など、申告内容によっては利用できないケースがある。ともあれ、パソコンさえあれば、職場や自宅にいながら申告書が簡単に作成できる。過去の年分(2003・2004年分)の申告書も作成できるのでぜひお試しを!
●  e-Taxによる確定申告の検討を
  また、「確定申告書等作成コーナー」で作成したデータはe-Taxに引き継いで電子申告することができるが、2005年分の所得税の確定申告にe-Taxを利用したい場合は、確定申告初日の2月16日までにオンラインで電子申告等開始届出書を提出すれば、3月初めごろに簡易書留で利用者識別番号が記載された通知書やe-Taxソフトが送られてくる。国税の電子申告・納税システム(e-Tax)の開始届出手続きは、今年の1月4日からオンラインでできるようになっている。
  オンラインによる開始届出書の提出が2月17日以降2月26日(24時)までの場合は、3月9日の発送予定となる。確定申告期限は3月15日なので時間的にややあわただしい。今月16日までに開始届出書を提出することがお勧めとなろう。なお、開始届出書を書面によって提出する場合は、上記の期限の翌日までに所轄の税務署に到着しているものが発送の対象となる。
  また、電子証明書は、開始届出書をオンラインで提出する場合には必要ない(本人確認書類も不要)が、e-Taxを利用するには必要となるので、開始届出書の提出と同時期に電子証明書を取得しておくことをお勧めする。電子証明書がICカードに格納されている場合には、ICカードリーダーが必要となる。具体的な取得方法や費用などは、電子証明書の発行機関が教えてくれる。
  確定申告を機にe-Taxを利用することを検討してはいかがだろうか。
参考:「確定申告書等作成コーナー」
(浅野 宗玄、税金ジャーナリスト、株式会社タックス・コム代表)
2006.02.06
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