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不動産投資にかかる3大コスト
●  不動産投資が都市部を中心に活況
  最近のマスコミ報道などを眺めていると、実物経済への移行として特に「不動産投資」が活況なようである。とはいっても日本全国の不動産がすべて上昇傾向にあるわけではなく、不動産にも勝ち組・負け組がある。そこを見極めるのが、不動産投資の重要なポイントでもある。
  また不動産投資とほかの投資を比べたとき、大きく異なるのが投資コスト、保有コスト、売却コストの負担が重いことである。一例として株式投資と比べてみると下記のようになる(ちなみに昨今の税制は、株式投資に対して非常に優遇しているといえる)。
  購入手数料 保有コスト/年 売却時税金
不動産投資 約3〜10% 1.5%以上 20%か39%
株式投資 約0.5〜1% 0 10〜20%
●  不動産投資にかかる諸経費と税金
  一般的には、不動産投資には物件の購入費用とは別に諸経費がかかる。購入時には新築マンション・アパートで3〜5%程度、中古マンション・アパートで6〜10%程度の諸経費がかかる。また保有コストとして、利息や管理費、修繕費、固定資産税など多くのコストがかかることにも留意しておきたい点だ。
【不動産投資コスト一覧】
購入コスト  
登録免許税 移転登記にかかる税金
登記手数料 登記手続きを代行する司法書士への支払い
印紙税 売買契約書やローン契約書に貼る印紙代
仲介手数料 売買代金×3%+6万円が上限
消費税 売買価格に含まれているのが一般的です 建物代金の5%
ローン事務手数料 金融機関の手数料 通常3〜5万円程度
ローン保証料 保証協会や保証会社に支払います(金利に含まれている場合は不要)
団体信用生命保険料 借入者が万一のとき、残高が保険で補填される(金利に含まれている場合は不要)
火災(地震)保険料 火災(地震)に備えて加入します
固定資産税精算金 購入時を基準に日割り計算するのが一般的
不動産取得税 不動産購入時に1回限り発生する
保有コスト  
借入元金・利息 ローンの設定に応じた額を支払います
管理(業務委託)費 管理会社に支払います
修繕費 改修・設備の更新、リフォーム代など
修繕積立金 大規模な修繕に備えて管理組合に
火災(地震)保険料 更新料を支払います
固定資産税・都市計画税 市区町村に支払う固定資産税・都市計画税 通常1.4%+0.3%=1.7%
売却コスト  
仲介手数料 売買代金×3%+6万円が上限
修繕費 リフォーム代が必要な場合がある
解体費 建物の解体費用が必要な場合がある
売却に伴う税金 売却時に購入時より不動産価格が上昇していれば、売却益に対する税金が発生
  上記の不動産投資コスト一覧を見ても分かるように、不動産投資において税金というのは避けては通れない。まず不動産を購入するとき登記にかかわる「登録免許税」がかかる。またさまざまな契約書において必要となる「印紙税」や、忘れたころにやってくる「不動産取得税」なども必要だ。そして不動産を保有していることに対しても、「固定資産税」という税金がかかる。売却時にも不動産価格が購入時よりも上昇していれば譲渡税がかかる。
  不動産投資においては、単に不動産購入金額や家賃収入の多寡だけでなく、実質利回りをみる上でも不動産投資コストとして、購入・保有・売却コストをシミュレーションに入れて検討されることをお勧めする。
(今村 仁 今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
2006.03.06
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