> 今週のトピックス > No.1207 |
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少子化につながる晩婚化と晩産化 |
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![]() ● 初婚年齢はやがて30歳へ
人口の少子化が進んでいるが、その原因を人口動態から追った調査が厚生労働省から報告された。
少子化の直接的な原因は、晩婚化と晩産化にある。女性の初婚年齢が遅くなり晩婚化が進むと、必然的に生める子供数は減少する。ここ30年間で初婚年齢は一貫して高年齢化を続けている。1975年では24.7歳であったが、2004年では27.8歳と、30年間で3歳以上も初婚年齢が上がっている。 しかも、晩婚化が加速化している。1977年に初婚年齢は25.0歳であった。それが26.0歳になったのは92年で初婚年齢が1歳あがるのに15年かかっていた。しかし、2000年には27.0歳となり、1歳上がる年数が8年に短縮されている。2004年はすでに27.8歳、2005年には28歳を超えそうな勢いで、1歳上がるのに5年しかかからないことになる。 このペースで晩婚化が加速すれば、2012年ごろには初婚年齢が30歳の大台に乗る。 ![]() ● 婚姻数も減少が続く
こうした晩婚化で、20代の未婚者は激増している。2000年の国勢調査では、年齢階級別の未婚率は20〜24歳で88.2%、25〜29歳で54.2%、30〜34歳で26.7%、35〜39歳で13.9%となっている。20代後半でも2人に一人は独身である。
こうした晩婚化は晩産化も伴う。第1子を産む女性の年齢は1975年では25.7歳であったが、2004年では28.9歳と3.2歳遅くなった。第2子の出生時の年齢は28.0歳から30.9歳へ、第3子は30.3歳から32.6歳へ繰り下がった。 晩婚化だけでなく、婚姻件数も減少傾向にある。第2次結婚ブームと呼ばれた1972年は年間の婚姻件数は109万件であった。その後、減少を続け1987年には62万件と4割も減少した。その後回復し、2004年では72万組である。もともと少子化によって婚姻年齢層の人口が少なくなっているところへ未婚率も高まっている。 晩婚化が進んでいるということは当然出産数も減少し、それがさらなる少子化につながるという循環である。こうした大きな循環の中で少子化が進んでいることを考えると、少子化の阻止・反転がいかに困難なことかが分かる。 ![]() ● できちゃった婚は婚姻全体の2割
ところで、昨今は晩婚・晩産が進む一方で、「できちゃった婚」も目立っている。今回の調査でも、通常の妊娠週数より結婚期間が短いのに第一子が誕生している婚姻をできちゃった婚を定義して、その実態を調査している。
これによると、毎年の婚姻数に占めるできちゃった婚は10年前は15.8%であったが、年々その割合は高まり2002年には20.5%と全体の5分の1を超えたが、2004年では少し下がり19.3%となっている。 ![]() 【婚姻全体に占めるできちゃった婚の割合】
![]() ![]() 出所:厚生労働省 人口動態統計特殊報告 平成17年度「出生に関する統計」の概況
![]() (可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン コンサルティング室、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー) |
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2006.03.20 |
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