> 今週のトピックス > No.1208 |
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留保金課税の回避策が廃止される!? | ||||
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![]() ● 留保金課税とは?
非同族会社(上場会社など)は利益を上げて配当を出したり役員賞与を出したりすることが経営者の仕事になるため、配当や賞与支出時に税金が発生することになる。それに対して同族会社は、利益処分である配当や役員賞与を一般的に行わないので、会社に内部留保する額が多いであろうと税務当局は考える。そのため、一定金額以上を内部留保した同族会社に対しては、その留保した金額に対し本来の法人税とは別に課税をすることになっている。それが「同族会社の留保金課税」というものである。
この留保金課税について注意しないといけないのは、前年以前の繰越損失と当期の利益を相殺する場合でも課税は発生することである。 ![]() ● 3つの回避策
この「同族会社の留保金課税」に対する回避策が今まではいくつかあった。1つは、「中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画を作成し都道府県の承認を受けた場合」である。この場合は、留保金課税の適用が停止される。
2つ目の回避策は、設立後10年以内の一定の中小企業者に該当する場合である。そして3つ目は、資本金1億円以下で会社の自己資本比率が50%以下の場合。このときも、留保金課税の適用が停止される。 ![]() ● 平成18年度税制改正大綱の影響
しかし自民党の平成18年度税制改正大綱によると、上記回避策のうち2つ目と3つ目については廃止される予定である。ということは、今後留保金課税を回避しようとすると、「中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画を作成し都道府県の承認を受ける」ことが必要となる。この承認を受けるためには少々煩雑な手続きが必要ではあるが、そのメリットとして、「留保金課税の適用停止」以外にも、「低利の融資」や「補助金」また「設備投資減税」などもあるので、その承認を受けることをお勧めする。
また、別の観点から留保金課税を回避する対策としては、会社を2つ以上に分けて一定額以上の内部留保が行われないようにするというのもある。ただし、それにより会社組織にひずみができては本末転倒であるので、それぞれの経営環境に応じて判断してほしい。 平成18年度税制改正大綱ではほかにも同族会社の留保金課税についていくつか改正が加えられているので、以下に抜粋を掲載する。 ![]() ■平成18年度税制改正大綱より抜粋
<中小企業・ベンチャー支援>
(国税) 同族会社の留保金課税制度について、次の見直しを行う。
![]() (今村 仁 今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
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2006.03.20 |
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