> 今週のトピックス > No.1219 |
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新入社員のタイプの変遷 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 昭和入社の新人は扱いにくい?
今年入社する新入社員のタイプは「ブログ型」であると、(財)社会経済生産性本部が命名した。これは昭和48年から現代コミュニケーションセンターが命名してきたが、平成15年から、生産性本部が引き継いで命名している。
ちなみに表にあるように、昭和48年入社の社員は、かつてはパンダ型でおとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変と命名されていた。今や企業の経営層となっている社員もかつてはこのように皮肉な目でみられていたのである。 表にある33年間の命名の変遷をみると、タイプ名は時流や流行を反映して移り変わっているものの、その特徴にはいくつかおもしろい傾向が見られる。 まず昭和入社の社員に対しては、「今年の新入社員は扱いにくい」と常に思われている。「人になつかず」「群れからはずれやすく」「他と音程合わず」「扱い方もむずかしい」などという単語が並んでいる。当時は「新人類」と言う言葉もあり、新入社員は自分たちとは違う価値観を持っていると見られていた。また「画一的」「見た目はきれい」「大きさと形は同じ」など個性の不足を指摘するコメントも多い。 ![]() ● 平成社員の能力を引き出す工夫が必要
それが平成に入るにつれて、「改良次第」「煮ても焼いても食えそう」「情報処理能力」など潜在能力の高さが評価されるようになってきた。ただし、「装着の具合次第」「読取機次第」「うまくいけば必需品」「育成方法の向上次第」「中高年には使いこなしきれない」「型くずれ防止必要」など、その能力を生かすには指導・育成次第であることも念押しされている。さらに、「メンテナンスが必要」「評価をしないと」「叱責に弱い」、ブログ型も「暖かい眼差しと共感が必要」など、褒めながらやる気を引き出す必要があるとしている。
これらを総括すると、昭和入社の新入社員は「組織になじまないうえ個性もないが、仕事を通じて自分たちのような社員になるだろう」という期待がある一方、「会社人間」としても同質性が求められている。 昭和の終わりから平成初頭のバブル期が終わったことから、国際化、IT化の進展で会社員に新しいスキルが求められるようになるにつれ、またこれまでのビジネスの手法が見直されるにつれて、新入社員のスキル・能力が見直されるようになった。そして会社はそれをうまく社業に生かすような育成・指導方法を模索するようになった。さもないと会社人間の時代と異なり、社外への流出の危険があるからである。 その意味で、新入社員や若手社員にとって魅力ある会社になることが、経営者にとってもテーマといえる。 ![]() 【新入社員のタイプの変遷】
![]() 参考:財団法人社会経済生産性本部「平成17年度 新入社員のタイプについて」
![]() (可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン コンサルティング室、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー) |
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2006.04.10 |
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