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新設、「情報基盤強化税制」〜平成18年税制改正 | ||||||||
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![]() ● 平成18年税制改正、スタート
去る3月27日に、平成18年度税制改正法案が参議院本会議で可決・成立した。そして3月31日には政省令も官報に公布され、4月1日施行となった。
その税制改正の中で、以前は「IT投資促進税制」というものがあった(平成18年3月31日で廃止)が、それに変わるものとして「情報基盤強化税制」いわゆるセキュリティー強化税制ができた。「情報基盤強化税制」に該当するIT投資を行えば(一部リースでも認められる)、10%の税額控除か50%の特別償却が認められることになっている。適用期間は、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得・事業供用した場合である。 ![]() ● 対象資産と最低年間金額
まず、この「情報基盤強化税制」の対象となる資産から見ていくことする。イメージとしては、「高度な情報セキュリティーが確保された情報システム投資」といった感じであるが、具体的には以下のとおりである。
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![]() そして高度な情報セキュリティーを確保するという趣旨から、上記のOSおよびデータベース管理ソフトウェア、ファイアウォールについては、「ISO/IEC 15408」に基づいて評価・認証されたものでないといけないことになっている。ちなみにこの「ISO/IEC 15408」というのは、製品やシステムに対してのセキュリティーを評価するものである。
次にこの「情報基盤強化税制」を適用できる条件として、「青色申告書を提出する事業者」となっていて、法人に限らず個人事業者も適用できることになっている。ただし法人の資本金の大きさごとに、最低年間投資額が決められている。 ![]()
![]() さらに資本金1億円以下の場合には、対象資産をリースした場合にも適用があるので留意されたい。その場合は、リース費用の総額420万円以上という条件をクリアーしないといけない。
![]() ● 税額控除or特別償却、どっちが有利?
例えば資本金1億円以下の会社が、「情報基盤強化税制」に該当する投資を年間1,000万円行ったとする。その場合「税額控除」を選択すると、1,000万円×70%×10%=70万円(ただし、法人税額の20%が限度、超過分は翌年にのみ繰り越せる)の節税となる。つまり、基準取得価額(購入価額の70%)の10%分を税額控除できることになっている。ちなみにリースの場合は、リース費用の総額×70%×60%×10%の税額控除ということになる。
一方「特別償却」を選択すると、1,000万円×70%×50%=350万円が通常の減価償却費に加算して費用計上できることになる。ただし「特別償却」というのは、今後費用できるものを前倒しにしているだけなので、通算すると(ほぼ)同じことになる。 一般的には「税額控除」を選択したほうが有利となると考えられるのであるが、とはいえ会社の今後の利益状況や投資金額の大きさ等によっては、特別償却を選択したほうが有利となる場合もあるので、それぞれの会社で判断していただきたい。 ![]() ● 「中小企業投資促進税」なども・・・
該当すれば節税効果の高い「情報基盤強化税制」なのであるが、適用対象資産が以前の「IT投資促進税制」よりも狭まった感があるので、該当しなかったというケースも多々あるであろう。
しかし、「情報基盤強化税制」に該当しないからといって、落ち込むことはない。そんな方には、「中小企業投資促進税制」や「少額減価償却資産の特例」があるのでそれらに該当しないか再度確認していただきたい。 ![]() (今村 仁 今村仁税理士事務所代表、税理士、宅地建物取引主任者、1級FP技能士)
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2006.04.10 |
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