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2006年新入社員のビジネスシーンでの対応
●  女性社員は職場での強調を優先
  (財)社会経済生産性本部は、新入社員のビジネスシーンでの対応や考え方に関する意識調査を毎年継続している。この春に入社した新人の意識調査の結果が先ごろ発表された。
  毎年の回答の変化も注目すべきであるが、質問によっては男女で回答率に差があるものも多く興味深い。
  例えば、「ミーティングでよいアイデアを思いついたが先輩と意見が対立しそう」な場合に、「先輩の顔をたてて黙っている」が全体では37.1%である。ところが男女の内訳をみると男性は32.5%だが、女性は47.7%であり、女性では半数近くが黙っていると回答している。逆に「自分の意見をハッキリ言う」は全体で62.9%、男性で67.5%、女性で52.3%である。
  「ビジネスに有益な情報を得た」場合に「上司や先輩に情報を提供する」のが全体では70.6%と多いが、男性は68.1%、女性は76.5%。「先輩とはいえライバルなので提供するかどうかは考える」が全体で29.4%、男性31.9%、女性23.5%である。
  女性は男性より職場内での争いを好まない協調性が強いのかもしれない。
●  女性社員は転職に肯定的
  給与体系について「業績・能力主義賃金」をよしとするのが全体で63.0%、男性で65.6%、女性で56.7%。「年齢・経験を重視する賃金」を好むのが全体で37.0%、男性が34.4%、女性が43.3%である。同じように「仕事の能力で昇格に差がつく会社」を望むのは全体で67.4%だが、男性は69.3%、女性は62.9%である。「経験や年齢で平均的に昇格する会社」は全体では32.6%、男性は30.7%、女性は37.1%と差がある。女性は競争すること自体に自信がないのか、和やかな職場を望んでいるようだ。
  仕事の役割分担について「予めハッキリ分担が決まっている職場」を望むのは全体で43.8%、男性で40.9%、女性で50.2%。一方、「分担を必要に応じて調整する職場」は全体で56.2%、男性で59.1%、女性で49.8%であり、女性はマイペースで仕事ができるのを期待しているようだ。仕事量の見えにくいのも好まないのだろう。
  転職については、「条件のよい会社があれば移る」のが全体で29.5%、男性で27.5%、女性で33.6%である。また「それなりの理由があれば転職は仕方ない」とするのが全体で51.5%、男性では48.2%、女性では59.4%。
  「今の会社に一生勤めようと思う」は全体で39.8%、男性で44.2%、女性で29.2%と、ここでも女性の方が転職に肯定的である。
出所:財団法人社会経済生産性本部「2006年度 新入社員意識調査」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン コンサルティング室、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2006.05.22
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