>  今週のトピックス >  No.1263
新入社員の意識、「仕事は自己成長の場」
●  就職先探しはホームページを活用
  財団法人社会経済生産性本部では毎年、新入社員を対象とした調査を実施している。サラリーマンを取り巻く環境が大きく変わっている中、社会人一年生の意識とはどのようなものだろうか。
  就職先探しの方法をみると、多くのメディアから同時に情報収集している様子が伺える。最も多いのは「企業のホームページ」で83.9%、並んで多いのが「会社説明会」の82.6%だ。次が「企業の採用パンフレット」で77.7%、「インターネットでの就職関連サイト」77.3%と続く。ほかには「学校への求人票」(56.1%)、「就職情報誌」(46.1%)、会社四季報などの「一般書籍」(36.5%)となっている。
  今年は企業のホームページを活用する学生が増加した。4年制大学の学生に限れば「企業のホームページ」が94.1%、「就職関連サイト」が96.0%と、ほとんどにおいてインターネット経由での情報を活用していることになる。
  昨年はトップが「会社説明会」で80.2%、次いで「企業のホームページ」の79.1%、「インターネットでの就職関連サイト」が74.5%、そのほかは「企業の採用パンフレット」(73.8%)、「学校への求人票」(58.0%)、「就職情報誌」(44.1%)、会社四季報などの「一般書籍」(33.2%)であった。インターネット以外のメディアについては、活用状況にさほど変化がみられない。
●  自分が成長できる会社を選択
  こうして得た情報をもとに就職先を選択する際の基準については、「自分の能力・個性が生かせるから」が最も多く全体の30.2%、次に「仕事がおもしろいから」が21.6%、「技術が覚えられるから」が14.5%、「会社の将来性」が7.4%と続く。
  昨年の調査では、最も多かったのが「自分の能力・個性が活かせるから」で31.3%、次いで「仕事がおもしろいから」が21.0%、「技術が覚えられるから」が12.8%、「会社の将来性」が8.3%と続いていた。
  筆者が新卒のころは、「御社の将来性に魅力を感じます」が就職先決定の決めゼリフだった。「会社の成長イコール自分の成長」だったわけだが、そうした意識は今や10%未満の回答でしかない。それに代わって、「会社で自分がどれだけ成長できるか」が選択基準になってきた。
  就労意識に関する質問に対して肯定的な回答の割合をみると、「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」が95.9%、「社会や人から感謝される仕事がしたい」が93.8%、「どこでも通用する専門技能を身につけたい」が93.3%、「終身雇用の時代ではないので会社に甘える生活はできない」が86.3%と続く。
  昨年も、まったく同じ順であった。「仕事を通じて人間関係を広げて行きたい」が95.2%、「社会や人から感謝される仕事がしたい」が93.1%、「どこでも通用する専門技能を身につけたい」が93.0%、「終身雇用の時代ではないので会社に甘える生活はできない」が86.5%である。
  最近の新入社員は仕事を「生活安定の場」ではなく、「自己成長の場」ととらえていることが分かる。
出所:財団法人社会経済生産性本部「平成18年度新入社員の『働くことの意識』調査結果」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン コンサルティング室、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2006.07.10
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