>  今週のトピックス >  No.1361
働く女性の約50%は、管理職志向あり
●  女性が管理職になりたい理由は、「自己の成長のため」
  株式会社リクルートが12月4日に発表した「働く女性の管理職志向と企業選びの視点調査」の結果によると、働く女性の約50%が管理職志向を持っている。総合職女性の管理職志向は71%で男性とほぼ変わらず、一般職女性も46%にのぼった。また、管理職になりたい理由については、女性は「自己の成長のため」、男性は「高い報酬をもらうため」と答えた人が多かった。
  女性の社会進出とともに管理職につきたいと希望する女性が増加していることは確かであるが、現実にはまだまだ女性の管理職の割合は、少ないといえる。今回の調査は、管理職志向がある女性がどのような考え方をもっているかを理解することができ、とても意味のあるもので今後活用が期待されるところである。
●  男女雇用機会均等法の果たした役割
  「女性の管理職」といえば男女雇用機会均等法(正式には、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律)の話を抜きにしては、語ることはできない。男女雇用機会均等法は、1985年に制定されたが、それまで日本企業は今以上に、男性優位の風潮が強く、当然管理職も男性ばかりというところがほとんどで、中には女性は役職に就かせないなどの不公平が存在していた企業もあったといわれている。
  男女雇用機会均等法の施行は日本企業にこの問題に対する議論をスタートさせ、職場の男女平等化の環境整備に大きく貢献したといっても過言ではない。
●  管理職積極派の女性の64%は、結婚・出産に関わらず仕事を継続するのがよい
  調査結果によると働く女性のうち、「現在管理職についている」人、あるいは「機会があればぜひつきたい」人(以下管理職積極派)は、合計で22%であったが、「機会があれば検討したい」人(管理職受容派)を含めると約50%の人が、管理職志向をもっている。「自分にはそんな機会はないと思う」と自分を冷静に分析して答えている人が27.2%いるものの、全体的には思っている以上に管理職志向が強いといえるだろう。
  管理職積極派の女性の約64%は、「結婚・出産に関わらず仕事を継続するのがよい」と考えているのに対して、男性全体では同じように考えている人は36.8%とかなり開きがある。男性は、「女性は、子どもをもつまで働き、子どもの手が離れたら再び職業をもつのがよい」を選んだ人が41.1%とトップになっており、ライフイベントに対する考え方も大きな違いがあることがあきらかになった。
●  管理職積極派は、「フェア」な会社であることを最も重視
  管理職積極派の女性がやりがいを失うのは、「評価に差別を感じたとき」「自分の成果を認めてもらえないとき」がともに47%であるが、注目すべき点としては「責任ある仕事を任されないとき」に対しては、管理職積極派の女性ほど失望することが多く、管理職志向のない女性とは2倍以上の開きがある。
  管理職積極派の女性にとっては企業を選ぶ際に「フェア」な会社であることを最も重視していることもあり、これらの女性たちに選ばれる企業になることも重要であるということを経営者側は忘れてはならない。今後の人材獲得競争時代において勝ち残っていくためにも各企業が今回の調査から学んだことをすぐに生かして、皆にとって働きやすい環境づくりを推進していただきたいと願うところである。
出所:株式会社リクルート 「働く女性の管理職志向と企業選びの視点調査」
(庄司 英尚 株式会社アイウェーブ代表取締役、庄司社会保険労務士事務所代表、社会保険労務士)
2006.12.25
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