>  今週のトピックス >  No.1382
日経平均1万7,600円台に、6年半ぶり高値水準
●  きっかけは利上げ見送り
  日経平均株価が1月下旬に一時1万7,600円台に乗せ、2006年4月につけた昨年来高値(1万7,563円)を上回った。6年半ぶりの高値水準で株価の回復傾向が、2007年に入ってさらに鮮明になった格好だ。利上げ見送り、円安、好調な企業業績に個人投資家の旺盛な投資意欲が加わり、当面は上昇基調が続く可能性が高い。
  株高のきっかけとなったのが、日銀の金融政策決定会合での追加利上げ見送りだ。利上げは銀行からの借り入れが多い企業にとっては、金利負担の増加につながり業績にとってマイナス。利上げの見送りは、株の買い材料といえる。
  日米の金利格差が開いていることも実は株高の要因だ。米国の景気は依然好調で、利下げ観測が後退。長期金利は4%台の後半で推移している。一方、国内の長期金利は日銀の利上げ見送りで急低下し、現在1%台後半。たとえ2月に日銀が利上げに踏み切ったとしても金利差は簡単には縮まらない情勢だ。
●  円キャリー取引拡大で円安に
  日本の金利が低いままだとどういうことが起きるのか。ヘッジファンドなどの機関投資家が低金利の円で資金を調達し、高金利の海外資産に投資する「円キャリー取引」を活発化させる。為替変動のリスクはあるが、金利差で稼ぐことができるからだ。円キャリー取引が増えれば増えるほど、円から他通貨に替えるときに円売り圧力が働き、円安になりやすい。
  円安が続けば、自動車や電機など輸出中心の日本企業の業績は良くなる。つまり利上げ見送り→円キャリー取引の拡大→円安→企業業績の改善期待→株高という流れができているのだ。
●  個人投資家復活
  株高期待から個人投資家の投資意欲も盛り上がってきた。1月下旬の東京証券取引所の売買代金は個人投資家の循環物色が活発になり、7カ月ぶりの高水準となった。昨年1月に起きたライブドア事件による新興市場の株安で痛手を受けた個人投資家も年後半には立ち直ってきている。個人の投資が増えれば株高につながる可能性は高い。
  企業は2月に第3四半期の業績発表をするところが多いが、円安や原料価格のダウンを織り込んで上方修正するところが多そうだ。突然の利上げや急激な円高などがなければ、株価が急落することはないだろう。
2007.02.05
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