> 今週のトピックス > No.1415 |
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新入社員タイプの移り変わり | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() ● 今年の新入社員はデイトレーダー型
今年入社した新入社員のタイプは「デイトレーダー型」であると、(財)社会経済生産性本部が命名した。これは昭和48年から現代コミュニケーションセンターが命名してきた新入社員のタイプ名だが、平成15年から(財)社会経済生産性本部が引き継いで命名している。
デイトレーダー型とは、「細かい損得勘定で銘柄の物色を継続し、安定株主になりにくい。売り手市場だけに早期転職が予想される。ネットを駆使した横のつながりで情報交換は活発だが、情報に踊らされない慎重さも必要」という意味だそうだ。ちなみに表にあるように、昭和48年入社の社員は、パンダ型と命名され「おとなしく可愛いが、人になつかず世話が大変」とされていた。今や企業の経営層となっている社員もかつてはこのように皮肉な目でみられていたのである。 表にある34年間の命名の変遷をみると、タイプ名は時流や流行を反映して移り変わっているものの、その特徴にはいくつか面白い傾向が見られる。 まず昭和入社の社員に対しては、「今年の新入社員は扱いにくい」と常に思われている。「人になつかず」「群れからはずれやすく」「他と音程合わず」「扱い方も難しい」などという単語が並んでいる。当時は「新人類」という言葉もあり、新入社員は自分たちとは違う価値観を持っていると見られていた。また「画一的」「見た目はきれい」「大きさと形は同じ」など個性の不足を指摘するコメントも多い。 ![]() ● 見直される新入社員の育成方法
それが平成に入るにつれて、「改良次第」「煮ても焼いても食えそう」「情報処理能力」など潜在能力の高さが評価されるようになってきた。ただし、「装着の具合次第」「読取機次第」「うまくいけば必需品」「育成方法の向上次第」「中高年には使いこなしきれない」「型くずれ防止必要」など、その能力を生かすには指導・育成次第であることも念押しされている。さらに、「メンテナンスが必要」「評価をしないと」「叱責に弱い」、「温かい眼差しと共感が必要」など、褒めながらやる気を引き出す必要があるとしている。
これらを総括すると、昭和入社の新入社員は「組織になじまないうえ個性もないが、仕事を通じて自分たちのような社員になるだろう」という期待がある一方、「会社人間」としても同質性が求められている。 昭和の終わりから平成初頭でバブル期が終わりを告げた。これにより、国際化、IT化の進展で会社員に新しいスキルが求められるようになった。また、これまでのビジネスの手法だけでなく、新入社員のスキル・能力も見直されるようになった。そして会社はそれをうまく社業に生かすような育成・指導方法を模索している。さもないと会社人間の時代と異なり、新入社員の"社外流出"という危険があるからである。デイトレーダー型という言葉にも、早期転職への懸念が見て取れる。 その意味で、新入社員や若手社員にとって魅力ある会社になることが、経営者にとってもテーマといえる。 ![]() 【新入社員のタイプの変遷】
![]() 参考:財団法人社会経済生産性本部「平成19年度 新入社員のタイプについて」
![]() ![]() (可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー) |
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2007.04.09 |
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